近年企業のデータ活用のニーズ増加に伴い、注目を集めるのが「データサイエンティスト」です。IT系の職種に興味がある方には、下記のように疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
- どんな仕事をするの?
- 年収はどれくらい?
- 未経験からでもなれる?
そこで本記事では、データサイエンティストの仕事内容や必要なスキルなどの基本情報を紹介します。またデータサイエンティストとして働く方の口コミや向いている人の特徴など、自分に合った仕事かどうかを判断できる内容もまとめました。
データサイエンティストに興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
- データサイエンティストの仕事内容と必要なスキル
- データサイエンティストの平均年収
- データサイエンティストに向いている人と向いていない人の特徴
- 口コミ調査で分かったデータサイエンティストのデメリット
- 未経験から効率よく目指す方法
「データサイエンティスト」とは?
データサイエンティストとは、クライアントの目的に応じてデータを収集分析し、クライアントの意思決定に役立つ知見を引き出す人材のことです。
データの傾向やトレンドを分析する際には、統計分析手法や機械学習手法を用います。
データサイエンティスト協会では、「データサイエンス力と データエンジニアリング力をベースにデータから価値を創出し、 ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナル」と定義しています。
厚生労働省の「jobtag」では、「大量に蓄積されたデータを分析して、新たな商品やサービスを生み出し、業務プロセスを革新しビジネスの効率性・創造性・競争力を高める職種」と説明されています。
さまざまに定義されますが、いずれもデータを分析してビジネス課題の解決を目指す点は共通しています。
続いて、データサイエンティストとよく混同される「データアナリスト」との違いを見ていきましょう。
「データアナリスト」との違い
「データアナリスト」とは、データを収集分析してクライアントの意思決定を支援する人材のことです。データサイエンティストと同じように、クライアントが抱える課題に対して、データを活用して解決を試みます。
データサイエンティストとデータアナリストは同じ目的を持つ職種ですが、求められるスキルに大きな違いがあります。そのスキルとは、データサイエンティスト協会で定義される「データサイエンス力=情報処理やAI、統計学などの情報科学系を理解したうえで使う力」のことです。
引用:2023年度スキル定義委員会活動報告 2023年度版スキルチェック&タスクリスト公開|データサイエンティスト協会
データサイエンティストは機械学習のアルゴリズム実装など、データアナリストに比べて高度な技術が求められる傾向にあります。
なおデータアナリストに必要なスキルついては下記で詳しく解説していますので、参考にしてください。
データサイエンティストの主な仕事内容
データサイエンティストの仕事内容は、大きく下記3つのフェーズに分けられます。
- クライアントへのヒアリング~企画
- データ収集パイプラインの構築
- データの分析・可視化~モデル構築
データサイエンティストはデータを活用するために、データ基盤の構築やデータ解析、モデル構築まで多様な業務に携わります。
ただし企業によっては、サービス開発のフェーズは設計のみでAIエンジニアが実装を担当するなど、エンジニアと分業している場合もあります。
これから、それぞれのフェーズで行う仕事内容を見ていきましょう。
クライアントへのヒアリング~企画
データサイエンティストは、クライアントと直接関わりを持つ機会が多くあります。例えばプロジェクト開始時には、課題やデータ活用の経緯をヒアリングしたり、データ活用の効果などのメリットを伝えたりする機会があります。
またヒアリング内容から仮説を立てて企画や戦略を立案するのも、データサイエンティストの重要な仕事です。企画立案では、下記のような内容を決めます。
- 達成目標や課題の優先順位(例:売り上げ向上を目指すべきか企業ブランディングを行うべきか)
- 収集するデータの種類(例:非構造データは使うのか)
- アプローチ方法(例:新しいツールを開発するのか既存ツールを活用するのか)
クライアントの課題に対してどのようなデータが関係し、どう扱えば解決に導けるかを考えます。
データ収集パイプラインの構築
データを収集・蓄積するデータベースやプラットフォームの構築も、データサイエンティストの仕事です。収集するデータに合わせて適切なデータベースを選択し、クライアントのサーバー環境へ構築します。
またデータ収集環境を構築する際には、データの個人情報を保護したり、フォーマットを整えたりなどデータ自体の処理を事前に行います。
なお案件や企業によっては、構築後のデータベース運用はデータエンジニアが担う場合も少なくありません。
どちらの場合にもクライアントが使いやすいように、データ収集パイプラインを整備しなければなりません。
データの分析・可視化~モデル構築
データの分析・可視化は、データサイエンティストのメイン業務です。例えばPythonやRなど機械学習向けプログラミング言語でビックデータを解析したり、ダッシュボードで見える化を実現したりします。
なおPythonとR言語の違いについては、下記を参考にしてください。
また必要に応じて、統計モデル・AIモデルの構築も行う場合があります。特にAIモデルの場合には解釈性が問題になるケースが多く、解析内容がブラックボックスにならないような開発が求められます。
データ分析の結果や構築したモデルの内容をレポートにまとめてクライアントへ共有するまでが、データサイエンティストがする業務の流れです。
データサイエンティストに必要な知識とスキル
データサイエンティストはさまざまな業務に携わるため、多様なスキルが必要です。求められる知識とスキル例は、下記のとおりです。
知識例 |
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スキル例 |
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プログラムや数学など調べればわかるものもありますが、データサイエンティストになるにであれば素養として持つべきです。大学やスクールを利用して身につけましょう。
以下の記事でデータサイエンティストに求められるスキルをより詳細に解説しています!
【2024年最新版】データサイエンティストの年収事情
ここでは、データサイエンティストの年収事情を紹介します。
大手求人サイトによると、データサイエンティストの平均年収は「532万円」と報告されています。一方で日本人全体の平均年収賃金は「約311万円※」です。
これらの調査結果より、データサイエンティストになれば平均賃金より、200万円以上も高年収を狙える可能性があるといえます。
データサイエンティスト求人のなかには年収1,000万円のものも実際にあり、高度なスキルを身につければ1,000万円プレイヤーも夢ではありません!
引用:indeed
【口コミ徹底調査】データサイエンティストは激務?やめとけと言われる理由とは
平均年収で500万円を超えるデータサイエンティスト。「高年収の代わりに激務なのでは?」と不安に思う方も多いはずです。
ここでは、仕事の過酷さを判断するために、現役データサイエンティストの口コミをチェックしてみましょう。
良い口コミ |
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良くない口コミ |
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引用:データの力をビジネスに活かし 社会の課題を解決する【新卒インタビュー:データサイエンティスト】・「ロジカルさよりも大切なものがある」DeNAから学ぶ、データサイエンティストに求められるマインドとは・【激務】データサイエンティストやめとけ!?仕事内容はきつい?実態を暴露
案件によってはハードワークになるケースも多く、泥臭い作業や勉強が苦手な方はやめとくべきという意見がありました。
とはいえデータサイエンティストになって、試行錯誤した結果がクライアント企業の発展に貢献したり、常に新しいことを吸収できたりすることに魅力を感じている方も多くいます。
どの職業にもいえるように、データサイエンティストにも良い面・悪い面が存在します。悪い面がそれほど気にならず良い面に大きな魅力を感じる場合には、積極的に目指しましょう!
データサイエンティストに向いている人・向いていない人
ここでは、データサイエンティストの仕事内容や口コミから、向いている人と向いていない人を紹介します。転職をお考えの方は、一つの参考としてチェックしておきましょう。
向いている人 |
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向いていない人 |
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データサイエンティストは、一つのデータに対して泥臭く分析する必要があります。そのためデータ分析に必要な技術の情報をさまざまな情報網から調べたり、新しい機械学習技術を学んだりすることが好きな人は適正が高いといえます。
一方でコミュニケーションに苦手意識がある方は、データサイエンティストに不向きです。クライアントから情報を引き出すコミュニケーション力がなければ、どれほどデータ分析スキルがあっても課題解決には至らないからです。
ただしコミュニケーションに自信がない場合には、大学やスクールの利用により改善できる可能性があります。自分の苦手分野を改善するために積極的に行動できる主体性も、データサイエンティストには重要です。向いていない人の特徴に当てはまる場合にも、改善方法を模索してみましょう。
データサイエンティストの将来予測
日本企業全体でデータサイエンティストの不足が続くことから、将来性は明るいと予想できます。
「DX白書2023」の調査では、多くの企業でデジタル事業に関する人材のうちデータサイエンティストがもっとも不足していると報告されました。
引用画像:DX白書2023|IPA
実際に求人調査では、人材不足を補うためにデータサイエンティスト人材の求人を増やした企業が49%もいることがわかっています。
引用画像:データサイエンティストの 採用に関するアンケート|一般社団法人データサイエンティスト協会
DX推進に伴うデータサイエンス需要の高まりに比例して、データサイエンティストの人材不足が加速することから、今後も高いニーズを維持し続けるでしょう。
ただし、実務経験がない初心者データサイエンティストの将来性は厳しいといえます。
採用調査によると、中途採用では「経験者のみ」を採用する企業の割合が74%にのぼることが報告されました。
引用画像:データサイエンティストの採用に関するアンケート|一般社団法人データサイエンティスト協会
そのため未経験からなる場合にも、データサイエンティストとして十分な経験が求められることを意味します。
未経験の方がデータサイエンティストとして活躍するためには、データ分析の副業に取り組むなどして経験を積むことが重要といえるでしょう。
完全未経験からデータサイエンティストを目指す方法
企業のニーズに対してデータサイエンティストが不足していることから、実務未経験者を募集する求人もあります。
ここでは、未経験者が実務経験が浅くてもOKな求人で採用されるための方法を2つ解説します。
- 統計検定・G検定を取得する
- Kaggleのコンペで入選する
統計検定・G検定を取得する
未経験者可のデータサイエンティスト求人の多くでは、「統計学に関する基本的な知識」を歓迎・必須条件としています。
引用:doda
そのため未経験からデータサイエンティストを目指すうえでは、統計学関連の資格取得が有効です。特に「統計検定」と「E検定」は、歓迎スキルとして挙げているケースも多くあり、アピール材料としておすすめです。
引用:indeed
引用:求人ボックス
データサイエンティストにおすすめの資格は、下記で紹介していますので参考にしてください。
なお効率良く資格を取得したい方には、スクールの利用がおすすめです。スクールを選ぶ際には、下記を参考にしてください。
Kaggleのコンペで入選する
未経験可のデータサイエンティスト求人のなかには、「データ分析の経験」を重視しているものも多くあります。
そのため未経験の方がデータ分析の経験を積めば、より多くのデータサイエンティスト求人に応募できるようになります。
未経験の方がデータ分析の経験を積む際には、「Kaggle」がおすすめです。Kaggleとは、企業の課題に対して世界中のデータエンジニアやデータサイエンティストがデータ活用により解決を目指すコンペです。
Kaggleで入選できれば現役のデータサイエンティストと同等のスキルがあることを証明できるため、経験としてかなりアピールできます。
ただし未経験の方が入選するためには相当な努力が必要なため、前述した「資格保有者優先の求人」へアプローチする方法をおすすめします。
Kaggleの始め方について以下の記事で解説しています!
『Tech Teacher』3つの魅力
魅力1. オーダーメイドのカリキュラム
『Tech Teacher』では、決められたカリキュラムがなくオーダーメイドでカリキュラムを組んでいます。「質問だけしたい」「相談相手が欲しい」等のご要望も実現できます。
魅力2. 担当教師によるマンツーマン指導
Tech Teacherでは、完全マンツーマン指導で目標達成までサポートします。
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そのため、理解できない箇所は何度も分かるまで説明を受けることができます。
魅力3. 3,960円/30分で必要な分だけ受講
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まとめ
・魅力1. 担当教師によるマンツーマン指導
・魅力2. オーダーメイドのカリキュラム
・魅力3. 3,960円/30分で必要な分だけ受講
質問のみのお問い合わせも受け付けております。
まとめ
データサイエンティストとは、企業の目的に応じてデータを収集分析し、意思決定に役立つ知見を引き出す人材のことです。近年のデータ活用ニーズに伴い年収が伸びている傾向にあるため、転職すれば高年収を狙えます。
未経験からデータサイエンティストに必要なスキルや知識を得たいなら、「Tech Teacher」をご利用ください。