Pythonは、将来性の高いプログラミング言語と言われています。Pythonに興味がある方のなかには、下記のような疑問がある方も多いのではないでしょうか。
- なぜPythonは将来性が高いと言われるの?
- ほかのプログラミング言語より長く使える?
そこで今回は、Pythonの将来性について、Pythonがよく使われる「データサイエンス・AI・Web開発」の市場動向を踏まえて解説します。
Pythonを身につけるべきか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください!
- AIやデータサイエンス、Web開発市場の将来性
- Pythonの企業ニーズ
- JavaやRubyと比べてPythonの将来性が高いかどうか
- 将来的にPythonで活躍できる人材になる方法
Pythonの将来性が高い理由1:AI・データサイエンス市場などの成長傾向
Pythonの将来性が高いといわれる理由の1つ目は、「Pythonが主流のAI・データサイエンス・Web市場が成長している」からです。
Pythonの使用率を聞いた調査によると、Pythonを開発している人の利用シーンは、Web開発>データ分析>機械学習の順で多いことがわかりました。
引用画像:Python Developers Survey 2022 Results|JET BRAINS
またそれぞれの市場は、日本を含めた世界で長期的に成長することが見込まれています。ここでは、Pythonの将来性を裏付けるために、「Web開発・データサイエンス・AI/機械学習」市場の将来性を紹介します。それぞれの市場とPythonとの関係性についても簡単に触れながら、見ていきましょう。
- データサイエンスプラットフォームは2029年に15%の年平均成長率達成見込
- Web開発市場は年平均成長率8%を維持して成長
- AI市場は生成AI・ロボット・画像処理など幅広い分野で成長
データサイエンスプラットフォームは2029年までに15%の年平均成長率を達成する
Pythonは社内のデータ活用のために、幅広い業界で使われます。Pythonでは大量のデータを収集したり、素早くデータを分析したりできるからです。
データ分析を含むデータサイエンスの分野は、企業における情報活用の見直しが進むとともに、市場規模も拡大傾向にあります。実際データサイエンスプラットフォームの市場は、2019〜2029年までに約15%の年平均成長率を達成すると発表している調査がありました。
引用画像:データサイエンスプラットフォームの市場規模と市場規模株式分析 – 成長傾向と成長傾向予測 (2024 ~ 2029 年)
特に成長スピードが高い市場はアジア太平洋地域とされ、クラウド上で機械学習ができる「AWS」のようなサービスが開発されると予想されています。データサイエンスシステム・ツールの開発ニーズの増加に伴って、Pythonのニーズも増え続けるでしょう。
AI市場は生成AI・ロボット・画像処理など幅広い分野で成長
AIとPythonは深い関係です。Pythonは、AIを開発できるAIライブラリがあり、開発のハードルが低いからです。なお、AIとプログラミングの関係性は下記で詳しく解説しているので、参考にしてください。
またAI市場は「生成AI・AIロボット・画像処理・自然言語処理」など複数分野に分かれるのですが、どの分野でも成長傾向がみられます。「総務省がまとめた内容」によると、2020年の513億円から2025年には1,200億円まで増加すると予想されています。たった5年で2倍以上も市場が成長が予測されることは、開発で使われるPythonの需要も大きく伸びることを意味します。
引用画像:情報通信分野の現状と課題|総務省
では、それぞれの分野別の将来性をチェックしてみましょう。例えば「日本能率協会総合研究所の調査」によると、AIの音声技術がコールセンターで注目を集める「音声認識システム市場」では、2020年からたった3年で5倍以上市場規模が拡大すると報告されています。
引用画像:音声認識システム市場2023年に1,010億円規模に|日本能率協会総合研究所
また「デロイトトーマツミック研究所」によると、AI画像認識分野は不良品検知や設備保守・点検、従業員の管理など幅広いニーズがあり、市場規模が伸び続けるといわれています。
さらには配膳ロボット・警備ロボットなどを含むロボットの市場規模は、AIの活用が進むとともに、2024年度には2018年度の2倍以上に拡大すると報告されました。
引用画像:AIの発達により拡大するロボット市場|野村総合研究所
最近ChatGPTの活躍により注目を集めている「生成AI市場」も、国内市場だけで約10%の成長率で順調に拡大することが予想されています。
引用画像:市場規模 5年間の推移予測生成AI活用サービス|XENOBRAIN
以上のように各分野でAIのニーズは拡大し続け、AI開発との相性が良いPythonの需要も上がっていくでしょう。Pythonの画像処理・自然言語処理を身につけるチャンスといえます!
Web開発市場も年平均成長率8%を維持して成長を続ける
PythonはAI開発・データサイエンス以外に、Web開発でも使われています。例えばオンラインストレージの「Dropbox」や、SNSの「Instagram」では、実際にPythonが使われています。Pythonには「Django」と呼ばれる便利なWebアプリ・サービス開発用のライブラリがあるからです。
インターネット・SNSの普及により、ここ最近伸び続けているWeb開発市場は今後も緩やかに伸び続けると予測されています。Business Researchの調査によると、2027年までに約8%の年平均成長率で拡大すると報告されています。
引用画像:WEB開発市場レポートの概要|Business Research
DXやデータ解析関係のWebサービスの需要が高まるとともに、Pythonのニーズも高まるでしょう。
Pythonの将来性が高い理由2:人材不足の蔓延
国内のAI人材が多くの企業で不足しているのも、Pythonの将来性が高いといわれる理由として挙げられます。AI人材とはPythonを活用してAIを開発したり、データ解析を行える人材のことです。
「DX白書2023」によると、企業のAI活用が進んでいない理由として「AI人材が不足しているから」と答えた企業が最多でした。
引用画像:AI導入課題|DX白書2023
2017年の調査からAI人材の不足を訴える企業が多く、企業のAI開発ニーズに対して人材が足りていないことが見て取れます。AI人材のなかでも、特に「AI製品やサービスを企画・開発できる開発者、データ分析を行える人材」が不足していることがわかりました。
引用画像:AI人材の充足度|DX白書2023
これらの調査結果は、Pythonで開発やデータ分析が行えれば、企業から引く手あまたになることを意味します。企業のAI開発ニーズに対して人材不足が続くことから、Pythonの将来性は安定しているといえるでしょう。
Pythonの将来性が高い理由3:保守需要が見込める
将来的な保守需要が見込まれることも、Pythonの将来性が高い理由です。Pythonは、今人気絶好調のプログラミング言語です。Pythonのコミュニティが2018年から右肩上がりで増えていることからも、Pythonの人気度合いがわかります。
引用画像:TIOBE Index for February 2024|TIOBE
今人気があることが意味するのは、Pythonを使ったサービスがたくさん開発されているということです。Webサービスやシステムは、定期的なメンテナンスやアップデートが必要です。そのため5~10年先に、今リリースされているWebサービスのメンテナンス需要が増えることが予想できます。Pythonで作られたサービスの保守需要が見込まれるため、Pythonの将来性は期待できるでしょう。
Pythonの将来性は他言語よりも高い?
将来性が高いといわれるPython。ほかのプログラミング言語と比べても、Pythonの方が将来長く役に立つのか気になる方も多いでしょう。ここでは、Pythonとよく比較される「Java・Ruby・JavaScript・R」と将来性を比べます。
- AI・データサイエンス向け言語ではPythonがトップ
- Web開発系の言語は拮抗している
AI・データサイエンス向けの言語の項目では「R言語」と、Web開発系の言語の項目では「Java・Ruby・JavaScript」と比較します。相対的に見て、Pythonの将来性はあるのか、それぞれの言語の需要が入れ替わることがあるのかを見ていきましょう。
AI・データサイエンス向け言語ではPythonがトップ
AIやデータサイエンスに役立つプログラミング言語には、PythonのほかにR言語やJuliaがあります。エンジニアの数やベンダーの数をまとめたプログラミング言語の人気調査によると、Pythonの人気が1位でR言語が21位、Juliaは34位でした。下記は上位20位までの結果です。
引用画像:TIOBE Index for February 2024|TIOBE
プログラミング言語の人気と需要の傾向からすると、一気にプログラミング言語間の需要が逆転することは珍しいです。そのためAI・データサイエンス業界のプログラミング言語は、ここ最近人気No.1のPythonが圧倒的に将来性のある言語といえます。
Web開発系の言語は拮抗している
Web開発向けの言語には、Pythonのほかに「Java・Ruby・PHP・JavaScript」が挙げられます。
実はデータサイエンス領域とは異なり、 Web開発系のプログラミング言語のなかでは、Pythonのニーズが群を抜いているわけではありません。例えば「転職で企業からニーズが高いランキング」では、JavaScript・Java・PHPがトップ3です。そして4位にPython、7位にRubyが続きます。
引用画像:「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」の結果を発表。平均年収が高い言語、転職で企業ニーズが高い言語など|paiza
ただし、JavaScriptが断トツで使われているわけではなく、JavaScriptとPythonの差はわずか7%程度であるため、Web開発系の言語は拮抗しているといえます。この結果よりPythonを含むWeb開発業界のプログラミング言語は、それぞれが並行して使われ続けるでしょう。
将来性が高い人材になりたいならPythonのデータサイエンス・AIを学ぼう
将来性の高い人材になるためには、PythonでAI・データサイエンスができると良いでしょう!AI・データサイエンス市場は今後も急成長が見込まれるうえに、Pythonに代わる言語もないからです。
なお、Pythonのデータサイエンスを身につけたいなら、まずは下記をチェックしてください。Pythonとは何か?から知ることができ、Pythonの基礎を学べます。
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まとめ
・魅力1. 担当教師によるマンツーマン指導
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まとめ
Pythonは、AI・データサイエンス・Web開発など幅広い分野で将来性が高い言語です。特に、今後市場規模が大きく拡大するAI・データサイエンス分野で使われるのが大きいでしょう。
AI分野で使われる言語にはR言語もありますが、習得難易度が高く、主流にはなっていません。一方でPythonは、文法も平易で初心者にも優しい点が魅力的です。そのためPythonに興味がある方は、特に心配することなくPythonを学んで良いでしょう。