統計解析

データサイエンスのロジスティック回帰とは?役立つ場面や言語を紹介!

データサイエンスの手法の1つであるロジスティック回帰は注目されています。ロジスティック回帰による予測をすることでビジネスにさまざまな価値をもたらせるからです。

そんなデータサイエンスのロジスティック回帰について、役立つ場面や必要なプログラミング言語などを紹介します。


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ロジスティック回帰分析とは何か

ロジスティック回帰分析とは何なのか基本的な点を説明します。

ロジスティック回帰分析の概要

ロジスティック回帰分析とは特定の事象が起きる確率を予測することです。いくつかのデータをもとにして結果を導き出します。ロジスティック回帰分析では質的変数を予測できるのが特徴です。

質的変数には試験の合格・不合格や好きな色などがあります。数値データとして直接表せないものが質的変数です。ロジスティック回帰分析を行うと質的変数の起きる確率を0から1の数字で導き出せます

たとえば、喫煙本数や飲酒日数といったデータから不健康有無を測るのにロジスティック回帰分析は活用できます。この場合は、結果が数字の1に近いほど不健康である確率が高いといえます。

また、ロジスティック回帰分析を活用すると各データが結果にどのくらいの影響を及ぼしているのか調べることが可能です。

たとえば、勉強時間やスマホの利用時間、部活動の有無といったデータと大学の合格可能性との間にどのような影響があるのか調べられます。結果はオッズ比として求められ、オッズ比の値が大きいほど影響が大きいといえるのです。

ロジスティック回帰分析と重回帰分析の違い

データサイエンスの分析手法としてロジスティック回帰分析以外にも重回帰分析は有名です。

ロジスティック回帰分析と重回帰分析の違いは、結果となる変数が質的か量的かという点になります。ロジスティック回帰分析の結果は質的変数であり、重回帰分析の結果は量的変数です。

重回帰分析の結果である量的変数とは具体的な数値のことです。たとえば、身長と胸囲、運動習慣といったデータから体脂肪率の具体的な数値を予測できます。

一方、ロジスティック回帰分析の結果である量的変数は0か1かの2値の値であり、実際には確率に変換して0〜1の値がデータとして出てくるケースが多いです。

ロジスティック回帰分析はどのような場面で役立つか

ロジスティック回帰分析はさまざまな場面で活用されている分析手法です。具体的に活用されている場面やどんな人におすすめの分析手法なのか解説します。

ロジスティック回帰分析が役立つ場面

ロジスティック回帰分析はさまざまな場面で役立てられています。たとえば、マーケティングで活用されている例は多いです。商品を購入したかしないかという2値の選択しかないため、ロジスティック回帰分析を利用できます。

たとえば、DMに反応してユーザーが購入した確率をロジスティック回帰分析によって割り出すことが可能です。購入したユーザーを1、しなかったユーザーを0と定義することで一人あたりの購入確率を割り出せます。販売促進キャンペーンなどの効果を検証する際に利用できるのです。

医療の研究でもロジスティック回帰分析はよく利用されます。たとえば、喫煙と飲酒の量からガンの発生率を割り出す関係式を求められるのです。アルコール摂取量や喫煙本数のデータとがん患者のデータを得られれば、どのくらいの喫煙や飲酒の習慣ががんの発生に大きな影響を与えるのか予測できます。

スパムメールを判別する際にロジスティック回帰分析が活用されている例もあるのです。特定の単語の数やURLの数などの条件を設定してスパムメールの可能性を割り出して、怪しいメールを迷惑メールとして分類することができます。

気象観測においてもロジスティック回帰分析は便利な手法として活用されているのです。たとえば、過去の観測データをもとにして落雷予測のモデルをロジスティック回帰分析で作成した例があります。土砂災害の発生などの予測にも活用可能です。

基本的にロジスティック回帰分析は上記のように1か0かという2値の結果を求めたいときに活用できる分析手法であり、幅広い応用例があります。ビジネスだけではなく心理学や医学、工学などあらゆる分野で活用されている手法です。

ロジスティック回帰分析が向いている場面

ロジスティック回帰分析が向いている場面は目的とする事象をはっきりと分類できるケースです。事象が発生するかしないかを明確に分類できる問題であれば、ロジスティック回帰分析は力を発揮します。購入や契約をするかどうか、病気になるかどうかなど明確に分類できる事象について、起きる可能性を予測したいときはロジスティック回帰分析を活用しましょう。

ロジスティック回帰分析は意思決定をしたい場面でどんな要素がどの程度影響しているのか調べたいときに役立ちます。マーケティング施策や広告戦略などの結果を予測したい場面で力を発揮するのです。

逆にロジスティック回帰分析が向いていない場面は、目的が曖昧なケースです。たとえば、売上高を予測するモデルを作る際にロジスティック回帰分析は活用しません。売上高の場合は、モデルによる予測結果の値が無数に存在しているからです。

ロジスティック回帰分析に使われるプログラミング言語

ロジスティック回帰分析を行うためにはプログラミングする必要があり、言語を選ばなければいけません。実際にロジスティック回帰分析で予測モデルを作る際に活用されるプログラミング言語はPythonRの2種類です。どちらの言語を用いてもロジスティック回帰分析をすることはできます。

なぜPythonとRが選ばれるかというと、これらの言語はデータサイエンスで活用されてきた実績が豊富だからです。データ分析のためのライブラリが揃っていて、簡単に予測モデルを組むことができます。PythonやRに関する書籍やオンラインスクールなどはたくさんあるため、独学もやりやすいです。

ただし、PythonとRはそれぞれ異なる言語のため、どちらを活用するべきか迷うケースは多いでしょう。どちらもデータサイエンスやビッグデータ解析、AIなどで注目されていて、利用価値の高い言語です。それぞれロジスティック回帰分析をやる上でメリット・デメリットがあるため、きちんと情報を集めた上で選ぶと良いでしょう。

次からはロジスティック回帰分析を実装する際にPythonとRのどちらの言語を選ぶべきか、それぞれのメリット・デメリットからどのような人向けかといった点まで解説します。

Pythonでロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析を実装するための言語としてのPythonの特徴とPythonを選ぶメリット・デメリット、どんな人に向いているのかを解説します。

Pythonの概要と特徴

Pythonは海外で人気の高いオブジェクト指向型スクリプト言語です。初心者に扱いやすいとされています。有名企業でも採用されていて、さまざまなことができる言語です。

ライブラリが豊富に揃っているのが特徴であり、Pythonを活用してWebアプリケーションなどの開発ができます。機械学習やAI、データサイエンスの分野でも活用されている言語です。さまざまな開発現場で利用されており、今後も高い価値があると期待されています。

YouTubeやインスタグラムなどの有名サービスでもPythonが活用されているのです。Pythonのライブラリやフレームワークを活用すれば開発を効率的に進められます。小規模の開発から大規模開発にまで利用された実績があり、汎用性が高いです。

Pythonのメリット・デメリットと向いている人

Pythonのメリット

Pythonのメリットをまとめると以下の通りです。

  • 初心者でも学習しやすい
  • 幅広い分野で活用されている
  • 豊富なフレームワーク・ライブラリがある

Pythonはもともとコーディングをしやすいように開発された言語です。誰が書いたとしても同じコードになるように工夫されています。少ないコードでシンプルに記述できる文法となっているため、初心者でも学習しやすいです。

幅広い分野で利用されていて汎用性が高い点もメリットといえます。特に近年は機械学習やAI、WebサービスなどでPythonが利用されるケースが多いです。PythonはOSを選ばずに利用でき、動作は高速のため、利便性が高く開発で採用されやすくなっています。

Pythonには多くのフレームワーク・ライブラリがあるのもメリットです。Webアプリの開発から機械学習、データ分析まで目的に合わせて最適なフレームワーク・ライブラリを見つけられます。効率的に開発を進められて、質の高い製品・サービスを実現できるのです。

Pythonのデメリット

次にPythonのデメリットを以下にまとめました。

  • インデントしなければいけない
  • 実行速度が遅い
  • 日本語の情報が少ない

Pythonは記述のルールが多く、たとえばインデントをしなければいけません。少しでもインデントがずれるとエラーになります。

海外で開発された言語であり、日本での利用の歴史が浅いです。そのため、日本語での情報が少ない点もデメリットといえます。ただし、近年は人気が高まっていて、日本語の書籍も増えているため、今後は問題なくなるでしょう。

Pythonは実行速度が遅い点もデメリットです。インタプリタ型言語であり、実行時にソース・プログラムの変換をしながら処理を進めるため時間がかかります。実行速度を向上させる工夫をしなければいけません。

Pythonの利用に向いている人

以上のメリット・デメリットを踏まえた上でPythonの利用が向いているのは以下のような人です。

  • ロジスティック回帰分析以外の用途でもプログラミングしたい人
  • プログラミングの初心者

ロジスティック回帰分析以外でもプログラミングをする予定のある人にPythonは向いています。Pythonを習得すれば幅広い分野の開発が可能です。

これまでプログラミングをしたことがない人にもPythonはおすすめできます。文法体系がシンプルであり、学習を進めやすいです。

Rでロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析を行うための言語としてのRの特徴やメリット・デメリット、向いている人について解説します。

Rの概要や特徴

Rとは1990年代に開発されたプログラミング言語です。統計解析やデータ解析などで活用することを前提として開発されました。そのため、汎用言語ではなく、あくまでも統計解析分野に特化した言語といえます。

R言語を用いると統計計算やグラフィックなどのプログラムができるのが特徴です。統計解析を得意としていて、パッケージが豊富に揃っています。パッケージを活用すれば簡単なコードだけで複雑な統計計算ができるのです。

現在では1万を超えるパッケージが登場しています。統計解析だけではなく、時系列分析やバイオインフォマティクスといった分野でも活用されているのが特徴です。もちろん、ロジスティック回帰分析でも活用できます。

R言語はオープンソース言語であり無料で利用可能です。統合開発環境が用意されていて、データの読み込みや保存、プログラムの作成や実行、パッケージの管理などを簡単に行なえます。また、GUIで操作できるようにするパッケージもあるため便利です。

Rのメリット・デメリットと向いている人

R言語のメリット

R言語のメリットは以下の通りです。

  • 統計分野のパッケージが豊富
  • 他の言語やツールと互換性が高い
  • 比較的習得しやすい

R言語は統計解析に特化しているため、統計分野のパッケージが豊富です。統計やデータ分析・解析の機能が充実していて、グラフを出力できるパッケージもあります。ロジスティック回帰分析を中心にさまざまな分析や解析のモデルを実現できるのが特徴です。

R言語は他の言語やツールとの互換性に優れています。他の言語と連携して開発を進めることが可能です。また、Excelなどのソフトでデータを読み込むこともできます。

コードの習得が簡単である点もメリットです。文法はそれほど複雑ではなく、簡単にコードを習得できます。

R言語のデメリット

R言語のデメリットは以下の通りです。

  • 統計解析以外の分野では使えない
  • 統計解析の基礎的な知識が必要になる
  • 高速処理には適していない

R言語は統計解析に特化していて汎用性がないため、他の分野の開発で利用するのは難しいです。また、コードの習得は簡単ですが、統計解析で活用するには統計解析の基礎的な知識が必要になります。実際にRでロジスティック回帰分析を行うには、ある程度の統計学の知識が求められるのです。

R言語は他の言語と比較すると高速処理に適していません。Pythonの方が処理速度は数倍早くなっています。

R言語の利用に向いている人

R言語に向いているのは、統計学の知識があり、統計解析のみを目的としてプログラミング言語を習得したい人です。統計以外に利用する場合や統計の知識をあまり持っていない人には向いていません。

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    まとめ

    ロジスティック回帰分析を上手く活用すれば、有益な結果を導き出すことができます。PythonかR言語のうち自分に向いている言語を取得して、ロジスティック回帰を活用しましょう。