基本情報技術者試験を独学で勉強しようか悩んでいませんか。
本記事では、IT初心者に向けて、独学で勉強するか、講座を受講するかの判断基準を提示します。
さらに、独学で勉強しようと決めた人に、独学での勉強方法を具体的に解説します。
基本情報技術者試験とは?
以下では、そもそも基本情報技術者試験とはどのような試験かについて説明します。
基本情報技術者試験とは
基本情技術者試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(以下IPA)が実施している国家試験です。IPAでは、以下のような複数の情報処理技術者試験を実施しています。その中でも、基本情報技術者試験では、これからITエンジニアとして働く人が最低限身につけておきたい知識、スキルを有しているかが問われます。
(参考:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/list.html)
基本情報技術者試験は役に立つ資格か
基本情報技術者試験は、業務独占資格ではありません。そのため、基本情報技術者試験を合格しなくても、ITエンジニアに就職はできます。
しかし、未経験からIT系の仕事に就職する際は、自分がIT系の仕事でも問題なくこなせることを証明しなければなりません。最低限のIT知識があることを客観的に証明するために、基本情報技術者試験は最適な試験です。
実際にIPAでは、これからITエンジニアとしてのキャリアをスタートする際に、基本情報技術者試験を受験することを奨めています。
ITパスポートとの違い
基本情報技術者試験に似た資格としてITパスポートがあります。この2つの資格はどのような違いがあるのでしょうか。
ITパスポートは、ITを利用するすべての社会人、これから社会に出ていく学生が最低限身につけておきたい知識が問われる試験です。基本情報技術者試験では、エンジニアしか知る必要のない知識も問われますが、ITパスポートは、非エンジニア向けの知識が問われます。そのため、ITパスポートは基本情報技術者試験よりも簡単な内容です。
実際に、ITパスポートの合格率は5割程度である一方、基本情報技術者試験の合格率は、3〜5割程度です。
ITパスポートは基本情報技術者試験よりも簡単な試験です。そのため、基本的には、基本情報技術者試験を受験する前に、ITパスポートを合格する方が確実です。しかし、以下のような人はITパスポートを飛ばして基本情報技術者試験を受験しても問題ないでしょう。
- エンジニアではないが、IT企業で仕事していた人
- 高校の情報のテストで高得点を取れている高校生
現在のITパスポートの試験内容は2022年度から必修化した高校の「情報Ⅰ」の科目を考慮しています。そのため、高校の授業の「情報Ⅰ」レベルの問題が難なく解ける人は、基本情報技術者試験を受験しても問題ありません。
基本情報技術者試験は独学できる?
以下では、基本情報技術者試験は独学で対応できるのかについて説明します。
基本情報技術者試験を独学で勉強するメリット・デメリット
基本情報技術者試験の独学のメリットは以下のとおりです。
- お金がかからない
- 自分のペースで進められる
一方、独学のデメリットは
- 質問できる人が周りにいない
- 強制力がない
このように、独学にはメリット、デメリットがありますので、まず、これらを把握しましょう。
その上で、以下では独学に向いている人、向いていない人の特徴を説明します。
独学で勉強した方が良い人の特徴
以下のような特徴を持つ人は独学でも問題ないでしょう。
- すでにITエンジニアとして働いている人
- エンジニアとしては働いていないが、IT系の企業に勤めている人
- プログラミングができる人
- 理数系科目が得意な人
すでにITパスポートに合格している人 - 一人で勉強することが苦ではない人
このように、すでにIT関連の基本的事項が把握できている方は独学でも問題なく合格できます。
講座を受講した方が良い人の特徴
一方、講座を受講した方が良い人の特徴は以下のとおりです。
- 非IT系の企業に勤めていた人
- 理数系の科目が苦手な人
- まったくプログラミングをしたことがない人
- ITパスポートを受験したことがない人
- 強制力がないと勉強できない人
以上のような人は、講座を受講した方が確実に基本情報技術者試験に合格できます。
講座を利用することは、独学と比べ、確かに高額な費用がかかります。しかし、すぐ質問できる環境がある、また、勉強する強制力が生まれるというメリットが講座の受講にはあります。
次は、基本情報技術者試験を独学で合格しようと決めた人に向けて、具体的な勉強方法を解説します。
基本情報技術者試験の独学方法
基本情報技術者試験を独学で合格するためにはどのような勉強をすれば良いのでしょうか。
基本情報技術者試験の独学方法
まず、基本情報技術者試験では、どのような問題が出るかを把握しましょう。IPAでは、試験問題の一部を公開しています。
問題冊子・解答例(2023年度、令和5年度)
https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/sg_fe/koukai/2023r05.html
どのような問題が出るかを把握した後は、実際にテキストとサイトを有効活用しましょう。
以下では、科目A、科目Bのそれぞれの対策法を見ていきます。
基本情報技術者試験の科目A対策
基本情報技術者試験は、令和5年度(2023年度)から制度が大きく変わりました。旧制度では、年2回しか受験できませんでしたが、新制度ではいつでも受験できるようになりました。また、制度の変更に伴い、基本情報技術者試験の内容も変更されました。
しかし、科目Aは、旧制度の午前試験と大きくは変わりません。そのため、これまでの午前試験の問題を解くことは有効です。ただ、情報技術の発展のスピードは年々早くなってきており、昔の問題を解いても情報が古くなっているので、意味がありません。少なくとも、過去問は5年前分くらいのものまでにしておきましょう。
逆に、基本情報技術者試験では最新の情報技術についての理解も問われます。
例えば、基本情報技術者試験では、2024年9月から生成AIに関する知識が問われるようになります。生成AIとは、与えた文章や画像をもとに、AIが文章や画像を生成する技術です。生成AIを触ったことがない人でも、ChatGPTやStable Diffusion、Midjourneyなどの名前をニュースで聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
このように、基本情報技術者試験合格のためには、シラバスの改訂内容に注意しながら、最新技術についても最低限キャッチアップすることが大事です。
参考:試験要綱・シラバスについてhttps://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/gaiyou.html
基本情報技術者試験の科目B対策
科目Bは、旧制度と大きく異なります。
旧制度では選択問題がありましたが、新制度ではすべての人が「アルゴリズムとプログラミング」と「情報セキュリティ」から問題が出題されます。
「アルゴリズムとプログラミング」の問題では、とあるプログラム中の空欄になっている部分を穴埋めする問題が出題されます。そのため、プログラムのコードを読み解り、そのプログラムではどのようなことが行われているかを把握するスキルが必要です。
プログラムのコードはすべて英語で書かれていて、一見、理解するのは難しく思えるかもしれません。しかし、プログラムのコードを一つ一つ分解していくと、forやif、whileなどの部分で構成されています。これらを順番に読み解いていくことで、そのプログラムがどのようなアルゴリズムであるかがわかるようになります。
このように、「アルゴリズムとプログラミング」の問題は、プログラムを書くスキルよりもプログラムを読むスキルが重視されています。そのため、科目B対策として自分でもプログラミングをしてみるのは有効ですが、そこまでの余裕がない人は、基本情報技術者試験の科目Bに特化した勉強をすると良いでしょう。以下で、科目Bに特化したテキストを紹介します。
一方、「情報セキュリティ」の問題は、基本的な知識は科目Aの対策をすることで身につけられるので、「情報セキュリティ」に特化した対策は必要ありません。ただ、問題文が長いため、長文を適切に読み取る読解力が問われるので注意しましょう。
おすすめのテキスト・サイトの紹介
以下では、基本情報技術者試験対策としておすすめのテキスト・サイトを紹介します。
基本情報技術者試験ドットコム https://www.fe-siken.com
基本情報技術者試験ドットコムでは基本情報技術者試験の過去問を解くことができます。また、それぞれの問題には解説も書かれているため、独学するには最適なサイトです。
以下では、基本情報技術者試験対策テキストを3冊紹介します。
以下で説明する本に限らす、試験対策テキストは中古ではなく、最新版を買いましょう。基本情報技術者試験のシラバスは毎年のように変更されるため、最新のシラバスに対応した本で勉強しないと非効率です。
矢沢久雄 情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者 テキスト&問題集[科目A][科目B]2024年版 https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798183282
こちらの本は、基本情報技術者試験対策講師として有名な矢沢久雄先生による基本情報技術者試験対策本です。こちらでは、本のタイトル通り「出るとこだけ」に絞って学習できるようになっています。
特に、この本は、科目Aの部分に量が割かれてます。科目Aの部分は覚えるところが多く、ちゃんと理解するにはある程度の分量が必要であるためです。一方、科目Bの対策は1章分しか書かれていません。
きたみりゅうじ キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和06年 https://gihyo.jp/book/2023/978-4-297-13807-3
こちらの本はたくさんのイラストが使われていて、親しみやすいテキストです。きたみりゅうじさんも先程の矢沢久雄さんと同様、長年基本情報技術者試験対策テキストを執筆してきた方で定評があります。文章ではなく、図解の方が理解しやすい方はこちらの本が良いでしょう。
大滝みや子 基本情報技術者【科目B】アルゴリズム×擬似言語 トレーニングブック
https://gihyo.jp/book/2023/978-4-297-13519-5
最初の2冊は、科目Aに特化したテキストでした。
しかし、プログラミングをしたことがない人にとって、科目Bの問題は不安でしょう。そのような方は、科目Bに特化した本で別に対策するのが良いでしょう。例えば、こちらの本では、試験で出題される擬似言語を用いながら科目Bの対策の勉強ができます。
一方、すでに簡単なifやfor、whileなどプログラミングの文法がわかっている人は、科目Bに特化した対策は不要です。
『Tech Teacher』3つの魅力
魅力1. オーダーメイドのカリキュラム
『Tech Teacher』では、決められたカリキュラムがなくオーダーメイドでカリキュラムを組んでいます。「質問だけしたい」「相談相手が欲しい」等のご要望も実現できます。
魅力2. 担当教師によるマンツーマン指導
Tech Teacherでは、完全マンツーマン指導で目標達成までサポートします。
東京大学を始めとする難関大学の理系学生・院生・博士の教師がが1対1で、丁寧に指導しています。
そのため、理解できない箇所は何度も分かるまで説明を受けることができます。
魅力3. 3,960円/30分で必要な分だけ受講
Tech Teacherでは、授業を受けた分だけ後払いの「従量課金制」を採用しているので、必要な分だけ授業を受講することができます。また、初期費用は入会金22,000円のみです。一般的なプログラミングスクールとは異なり、多額な初期費用がかからないため、気軽に学習を始めることができます。
まとめ
・魅力1. 担当教師によるマンツーマン指導
・魅力2. オーダーメイドのカリキュラム
・魅力3. 3,960円/30分で必要な分だけ受講
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まとめ
基本情報技術者試験の独学の方法を説明してきました。
基本情報技術者は、ITエンジニアが最低限知っておきたい知識が問われる試験です。そのため、これからIT業界に就職したい人にとって最適な試験です。
基本情報技術者試験は、すでにIT業界で働いている人や、ITパスポートに合格している人にとっては、独学でも合格できるレベルの試験です。一方、IT系の知識をまったく知らない場合は、ITパスポートから勉強するか、講座を受講して勉強する方が良いでしょう。
基本情報技術者試験の独学方法は、本やサイトを見て勉強することが中心になります。
基本情報技術者試験は科目A、科目Bに分かれています。
科目Aは旧制度の午前試験に似たような試験ですが、最新の技術についても理解しておく必要があります。一方、科目Bは旧制度の午後試験と異なるため、プログラムに慣れていない人は科目Bに特化した対策が必要でしょう。
こちらの記事を参考に、ぜひ、基本情報技術者試験を独学で合格してください。