16章では『mapメソッドによる要素の置換』『map/applyメソッドによる各要素に対する関数の適用』について解説します。
本記事を読めばmapとapplyの基本的な使い方をマスターできます。
ぜひ最後まで読んでいってください!
本連載講座【Python ライブラリ編】では、データサイエンスに必要なPythonライブラリやその使い方を基礎から学ぶことができます。
NumPy・Pandas・Matplotlib・Scipy・Seabornについて、初学者の方にも分かりやすいよう丁寧に解説しています。
さらに、学習した内容を定着させられるように各章に演習問題を用意しています。
・Pythonでデータ分析ができるようになりたい
・Pythonの基礎事項は一通り学んだので、さらに深く学びたい
このように考えている方はTech Teacherが運営する【Python ライブラリ編】で、Pythonによるデータサイエンスの学習をすることをお勧めします!
なお、『Pythonについて全く知らない』・『Pythonの基礎事項がまだ分かっていない』という方は、まずコチラの【Python 基礎編】で基礎を一通り学習してからライブラリ編に取り掛かりましょう!
<ライブラリ編 目次>
<ライブラリの基礎>
1章:ライブラリとは
<NumPy>
2章:NumPyの概要と配列(ndarray)
3章:統計量や次元の取得/ソート
4章:配列のインデックス
5章:numpy.whereによる条件制御
6章:配列の結合/分割
7章:乱数
<SciPy>
8章:SciPyの概要と基本操作
<Pandas>
9章:SeriesとDataFrame/統計量の取得
10章:データの読み込み/書き込み
11章:データの取り出し/追加
12章:データのソート
13章:データの結合
14章:階層型インデックス
15章:groupbyによる集計
16章:マッピング処理
17章:欠損値の扱い
<Matplotlib>
18章:Matplotlibの概要
19章:pyplotインターフェース
20章:オブジェクト指向インターフェース
<Seaborn>
21章:Seabornの概要と基本操作
mapメソッド
列(Series)の要素を置換
『map』メソッドを用いて、Seriesの要素を置換することができます。
こちらはExcelのvlookup関数に似たような機能です。
Series.map(辞書型の参照データ)
mapメソッドの引数として辞書を渡すと、辞書のキーと一致する要素を辞書の値で置換します。
具体例を見てみましょう。
まずは元となるデータを用意します。
#元データ
sr = pd.Series(['Python', 'Java', 'C#', 'JavaScript', 'Python'])
sr
0 Python
1 Java
2 C#
3 JavaScript
4 Python
dtype: object
次に、要素を置換する際の参照データを辞書形式で定義します。
#「Python」は「Python」、「C#」は「CSharp」、「JavaScript」は「JS」に対応
name_map = {
'Python':'Python',
'C#':'CSharp',
'JavaScript':'JS'
}
以下のコードでは、「name_map」を参照して先ほど定義したSeries「sr」の要素を置換しています。
#name_mapを参照して要素を置換
sr.map(name_map)
0 Python
1 NaN
2 CSharp
3 JS
4 Python
dtype: object
作成した参照データに基づいて、
・Python → Python
・C# → CSharp
・JavaScript → JS
のように要素が置換されていることが分かると思います。
また以下の例のように既存のDataFrameにおいて、ある列を参照して新たな列を追加したいときに使用する場合も多いです。
# 元のデータフレームを作成
data = {
'Fruits': ['apple', 'banana', 'strawberry', 'orange', 'pineapple', 'apple'],
'Country': ['Japan', 'Philippines', 'Japan', 'Spain', 'Thailand', 'Japan']
}
df = pd.DataFrame(data)
df
#参照データ
price_map = {
'apple':100,
'banana':200,
'strawberry':800,
'orange':300,
'pineapple':1000
}
#Fruits列を利用して新たにPrice列を作成
df['Price'] = df['Fruits'].map(price_map)
df
SeriesやDataFrameに任意の関数を適用
『map』メソッドのもう一つの使い方として、SeriesやDataFrameの各要素に任意の関数を適用することができます。
SeriesまたはDataFrame.map(関数名)
とすると、SeriesやDataFrameの各要素に指定した関数の処理を適用できます。
まずは元データを準備します。
#元データを定義
data = {
'Name': ['Alice', 'Bob', 'Charlie', 'David', 'Eve'],
'Age': [25, 30, 35, 40, 45],
'Gender': ['Female', 'Male', 'Male', 'Male', 'Female'],
'Occupation': ['Engineer', 'Designer', 'Manager', 'Engineer', 'Data Scientist'],
'Salary': [60000, 75000, 90000, 80000, 100000]
}
df = pd.DataFrame(data)
df
このデータの「Salary」列の各要素に10000を加算してみます。
mapによって適用する関数として、「my_func」を定義します。
def my_func(x):
return x + 10000
この関数を「Salary」列の各要素に適用するコードは以下のようになります。
#Salary列の各要素にmy_funcを適用
df['Salary'].map(my_func)
0 70000
1 85000
2 100000
3 90000
4 110000
Name: Salary, dtype: int64
「Salary」列の各要素に10000を加算したSeriesが得られました。
得られたSeriesで元のデータの列を置き換えたい場合は、以下のように書きます。
#Salary列の各要素にmy_funcを適用
df['Salary'] = df['Salary'].map(my_func)
df
また、同じ処理を『無名関数(ラムダ式)』を用いて行うコードは以下のように書けます。
#無名関数を用いる場合
df['Salary'] = df['Salary'].map(lambda x: x + 10000)
df
先ほどのコードに続いて実行すると10000が2回加算されて上記とは異なる結果が得られるので、注意してください。
『無名関数(ラムダ式)』については以下の記事で説明しています。
初めて聞いた方は参照してみてください。
DataFrameにmapメソッドを使用して各要素に関数を適用することもできます。
以下の例では、新たに定義したDataFrame「df」の各要素に10をかけています。
import numpy as np
df = pd.DataFrame(np.arange(9).reshape(3,3))
# 0 1 2
#0 0 1 2
#1 3 4 5
#2 6 7 8
df.applymap(lambda x: x * 10)
applyメソッド
『apply』メソッドを用いると、SeriesやDataFrameに任意の関数を適用することができます。
基本的な使い方はmapメソッドで関数を渡す場合と同様です。
まずは元データを準備します。
#元データを定義
data = {
'Name': ['Alice', 'Bob', 'Charlie', 'David', 'Eve'],
'Age': [25, 30, 35, 40, 45],
'Gender': ['Female', 'Male', 'Male', 'Male', 'Female'],
'Occupation': ['Engineer', 'Designer', 'Manager', 'Engineer', 'Data Scientist'],
'Salary': [60000, 75000, 90000, 80000, 100000]
}
df = pd.DataFrame(data)
df
この「df」の「Salary」列に自作関数my_funcを適用してみましょう。
def my_func(x):
return x + 10000
#my_funcをSalary列に適用
df['Salary'].apply(my_func)
0 70000
1 85000
2 100000
3 90000
4 110000
Name: Salary, dtype: int64
mapを使用した場合と同じ結果が得られました。
また、DataFrameに対しても同様の処理を行うことができます。
import numpy as np
df = pd.DataFrame(np.arange(9).reshape(3,3))
# 0 1 2
#0 0 1 2
#1 3 4 5
#2 6 7 8
df.apply(lambda x: x * 10)
『Tech Teacher』3つの魅力
魅力1. オーダーメイドのカリキュラム
『Tech Teacher』では、決められたカリキュラムがなくオーダーメイドでカリキュラムを組んでいます。「質問だけしたい」「相談相手が欲しい」等のご要望も実現できます。
魅力2. 担当教師によるマンツーマン指導
Tech Teacherでは、完全マンツーマン指導で目標達成までサポートします。
東京大学を始めとする難関大学の理系学生・院生・博士の教師がが1対1で、丁寧に指導しています。
そのため、理解できない箇所は何度も分かるまで説明を受けることができます。
魅力3. 3,960円/30分で必要な分だけ受講
Tech Teacherでは、授業を受けた分だけ後払いの「従量課金制」を採用しているので、必要な分だけ授業を受講することができます。また、初期費用は入会金22,000円のみです。一般的なプログラミングスクールとは異なり、多額な初期費用がかからないため、気軽に学習を始めることができます。
まとめ
・魅力1. 担当教師によるマンツーマン指導
・魅力2. オーダーメイドのカリキュラム
・魅力3. 3,960円/30分で必要な分だけ受講
質問のみのお問い合わせも受け付けております。
16章の練習問題
以下の練習問題を解いてみましょう。
練習問題
問1. 以下のコードで定義されるDataFrame「df」について、(1)~(2)の問いに答えてください。
#元データを定義
data = {
'Name': ['Alice', 'Bob', 'Charlie', 'David', 'Eve'],
'Age': [25, 30, 35, 40, 45],
'Gender': ['Female', 'Male', 'Male', 'Male', 'Female'],
'Occupation': ['Engineer', 'Designer', 'Manager', 'Engineer', 'Data Scientist'],
'Salary': [60000, 75000, 90000, 80000, 100000]
}
df = pd.DataFrame(data)
df
(1) dfのGender列の’Felame’を’F’に、’Male’を’M’に置換してください。
(2) (1)で作成したDataFrameについて、Name列の各要素の先頭1文字を抜き出してください。
問2. 問1で最初に定義したdfに対して、次の問いに答えてください。
Salary列の各要素をそれぞれ10倍した、新たなDataFrameを作成してください。
解答
(1)
#(1)
gender_map = {
'Female':'F',
'Male':'M'
}
df['Gender'] = df['Gender'].map(gender_map)
df
(2)
#(2)
df['Name'].map(lambda x: x[0])
0 A
1 B
2 C
3 D
4 E
Name: Name, dtype: object
#元データを定義
data = {
'Name': ['Alice', 'Bob', 'Charlie', 'David', 'Eve'],
'Age': [25, 30, 35, 40, 45],
'Gender': ['Female', 'Male', 'Male', 'Male', 'Female'],
'Occupation': ['Engineer', 'Designer', 'Manager', 'Engineer', 'Data Scientist'],
'Salary': [60000, 75000, 90000, 80000, 100000]
}
df = pd.DataFrame(data)
df['Salary'] = df['Salary'].apply(lambda x: x * 10)
df
次のページへ