Pythonをこれから自分で学ぼうと考えている方のなかには、下記のように不安がある方も多いのではないでしょうか。
- 独学だとどれくらいの勉強時間がいる?
- 効率よく学べる方法はない?
今回は、Python習得にかかる勉強時間の目安について、初級・中級・データサイエンティスト転職レベルの3つに分けて解説します。Pythonを勉強しようとしている方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 未経験からデータサイエンティストになるために必要な勉強時間
- Python初級者になるまでに学ぶ内容
- 独学だと時間がかかる理由
- 効率的にPythonを身につける方法
Pythonを学ぶ価値は?
プログラミング未経験から努力してPythonを学ぶ大きな価値は、「データサイエンティスト」などの人材になれることです!
データサイエンティストとは、Pythonを使ってあらゆるデータの分析を行い、商品開発や社内システムの効率化に貢献する人材のことです。データサイエンティストは、データ活用を進める企業において高い需要があります。
では、データサイエンティストの需要の高さを知るために、平均年収を見てみましょう。
職種 | 平均年収 |
---|---|
データサイエンティスト | 約512万円 |
システムエンジニア | 約404万円 |
参考:平均年収ランキング(165職種別の平均年収/生涯賃金)【2021年版】|doda
システムエンジニアの平均年収と比べて、データサイエンティストは100万円以上高く、市場価値の高さがわかります。
Pythonを学ぶことで、企業に重宝される人材になることができるのです。「AIやロボットに奪われる可能性がある職業」が増えているなかで、転職に困らないスキルが手に入るのは大きなメリットですね。
なおPythonを学ぶメリットは、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてくださいね。
独学でPythonを習得するための勉強時間|習熟度レベル別
Pythonを一から身につけるのは、簡単なことではありません。では、プログラミング未経験から独学でPythonを習得するためには、どれくらいの勉強時間が必要なのでしょうか?
この章では、独学でPythonを習得するためにかかる勉強時間を3つの習熟度別に紹介します。
- 【400時間】初級者レベルになるまでの勉強時間
- 【3000時間】中級者・大卒レベルになるまでの勉強時間
- 【8000時間以上】データサイエンティスト就職・転職レベルになるまでの勉強時間
また、各レベルに到達するために必要な学習内容や、何ができるようになるかも解説します。独学の計画を立てたい方は、順番にチェックしていきましょう。
【400時間】初級者レベルになるまでの勉強時間
Python初級者レベルになるまでにかかる勉強時間:400時間
プログラミングの基本操作に加えて、Python独特のライブラリも学ぶ必要があるので、プログラミング入門を脱するには想像以上に時間がかかります。学業や本業の合間にPythonの初級者レベルを目指す場合には、下記のようなスケジュールで進めると良いでしょう。
- 1年間毎日取り組むケース:1日あたり「最低1時間」
- 半年間で身につけるケース:1日あたり「2.5〜3時間」
- 3ヵ月の短期間集中ケース:1日あたり「4時間以上」
初級者レベルになるために、学ぶ必要がある内容は下記のとおりです。
- プログラミングの環境を構築する方法
- プログラミングの基礎的な記述方法
- Pythonの汎用的なライブラリ・フレームワークの操作方法
まずは「プログラミングの基礎的な記述方法」で押さえるべき内容は、下記のとおりです。
- 変数
- 条件分岐(if)
- 繰り返し(for)
- 関数(def)とクラス(class)の使い方
- エラーの特定(pdb)
初級者レベルを目指すうえで、特に重要なのはエラー分析ができるようになることです。Pythonでは、「pdb」を利用することで1行ずつプログラミングコードの実装内容を見ることができます。pdbを使いこなして、「どこにエラーが出ているのか」「エラーの内容は何か」が分析できるようになれば、初級者レベルに到達しているといえるでしょう。
ある程度プログラミングの基礎を習得できたら、次はPython独自のライブラリの使い方を学ぶ必要があります。
学習項目 | できること |
数値演算ライブラリ 「NumPy」の基本的な操作方法 |
線形代数 微分積分 数値データ処理 |
データ構造ライブラリ 「Pandas」の基本的な操作方法 |
データの操作(結合など) 欠損値の処理 データのグラフ化 |
リストの理解 | データの処理(結合・追加・削除など) |
NumPyとPandasは機械学習やデータ分析で役立つスキルなので、それぞれを使い分けるようになるまで勉強しましょう。
基本をおろそかにすると、機械学習やデータ分析などの応用レベルでつまずく可能性が高くなります。基本こそ、丁寧に勉強する意識が大切です。
- 四則演算
- 行列などの多次元配列の操作
- csvファイルの操作
- データの操作(欠損値削除・追加など)
- データの可視化
- 簡単なRPG風ゲーム制作
- スムーズなエラー分析
初級者レベルでもPythonライブラリの「NumPy・Pandas」を使いこなせるようになることで、高度な計算処理や簡単なゲームを作れるようになります!
初級レベルのPythonを効率よく習得したい方は、下記に取り組んでみてくださいね!環境構築の方法からプログラミングの基礎知識、NumPyなどのライブラリの正しい使い方まで、初級者レベルが勉強すべき内容をコード付きで解説しています。
【3000時間】中級者・大卒レベルになるまでの勉強時間
中級者レベル・情報工学系の大卒レベルになるまでにかかる勉強時間:3000時間
初級者レベルになってから中級者レベルに上がるためには、さらに多くの時間が必要です。3000時間をこなすためには、下記のような勉強スケジュール感になります。
- 3年間毎日取り組むケース:1日あたり「最低3時間」
- 1年で到達したいケース:1日あたり「8時間以上」
中級者レベルになるために、学ぶ必要がある内容の例は下記のとおりです。
機械学習・画像認識・自然言語処理のいずれかのライブラリの操作方法
中級者レベルになれば自分の目的に合わせて、特定分野のPythonライブラリを使いこなせるようになる必要があります。
学習項目 | できること |
sckit-learn | データ分割 機械学習(重回帰分析など) データの評価(決定係数など) |
OpenCV | 画像の編集(回転など) 特徴量抽出 画像検出(Canny法など) |
MeCab | 分かち書き 読み・発音の取得 未知語推定 |
機械学習をしたい方は、sckit-learnのフレームワークをいくつか使いこなせるようになりましょう。sckit-learnとは、データの前処理から機械学習モデルの構築、データの評価まで一連の実装が可能な機械学習用のPythonライブラリです。
また、画像処理やコンピュータビジョンに興味がある方は、画像処理ライブラリの「OpenCV」を習得しましょう。OpenCVをマスターすれば、画像認識や分類のコードを数行で書けるようになります。
自然言語処理を自動化したい人は、「MeCab」を習得する必要があります。MeCabにより、日本語の文章の分かち書きが簡単にできるようになります。
- 古典的な機械学習モデルを使った実装
- 古典的な画像処理アルゴリズムを使った画像認識やパターンマッチング
- 分かち書きや品詞分解などの自然言語処理
中級者レベルになると、Pythonのライブラリやフレームワークを自在に使いこなせるようになります!
【8000時間以上】データサイエンティストへ就職・転職レベルになるまでの勉強時間
データサイエンティストへ就職・転職できるレベルになるまでの勉強時間:8000時間以上
中級者レベルからデータサイエンティストなどのAI人材を目指すためには、最低でも8000時間がかかります。AI人材への就職・転職レベルに到達するまでのスケジュール目安は、下記のとおりです。
- 5年間毎日取り組むケース:1日あたり「最低5時間」
- 3年間でスピード転職を目指すケース:1日あたり「7時間以上」
中級者レベルになるために、学ぶ必要がある内容の例は下記のとおりです。
- Pythonライブラリのアルゴリズムをアレンジ
- 例外クラスを活用したコードの作成
- コードの軽量化・高速化
データサイエンティストになるためには、Python関係のライブラリを使いこなせるのはもちろんのこと、ニーズに合わせてアルゴリズムを自由にアレンジできるようになる必要があります。例えば、機械学習モデルであれば、モデルの損失関数を工夫するなどの実装力を身につけましょう。
また、データサイエンティストになるためにはいわゆる実行手順が入り組んでいる「スパゲッティコード」ではなく、バグが発生する可能性がないコードを書けるスキルも重要です。例外クラスなどを使いこなして、誰が見てもひと目でわかるような汎用性が高いコードを書けるようにしましょう。
- オリジナル機械学習モデルの作成
- バグが発生しにくいコードの作成
- 処理スピードが速いコードの作成
AI人材への就職・転職を目指すうえでは、ただ勉強量を増やせば良いわけではなく、質の高い学習が重要です。
Python独学の時間時間が膨大な理由
Pythonの初級レベルになるためだけでも、400時間かかります。この章では、なぜこれほどまでに勉強時間が必要なのか、その理由を2つ解説します。
- エラーを解決するのに時間がかかる
- モチベーションが続かない
未経験の方が独学をするうえでの注意点を理解しておきましょう。
エラーを解決するのに時間がかかる
1つ目の理由は「エラーを解決するのに時間がかかるから」です。Pythonに限らず、プログラミングではコンピュータが読み取れるように、一字一句正確に記述する必要があります。
デバッグに慣れないうちは、発生したエラー内容がわからなかったり、エラー箇所を調べるために時間がかかります。
エラーを解決する時間を減らしたい場合には、プロのエンジニアなどのメンターに見てもらう機会やいつでも質問できる環境をつくることが得策です。
モチベーションが続かない
2つ目の理由は「モチベーションが続かないから」です。
プログラミングを身につけるためには、ライブラリや記述方法など多くのことを覚える必要があります。さらには、エラーが解決できなかったり、アルゴリズムが理解できなかったりと、悩むことも尽きません。
そのため、思うようにプログラミングができるようにならなくて、学習のモチベーションが下がり、時間がかかってしまうのです。
Pythonの勉強時間を減らす方法
では、Pythonの習得にかかる勉強時間を減らすにはどうすれば良いのでしょうか?おすすめの方法は、下記の2つです。
- Pythonの資格取得を目指す
- Pythonスクールを利用する
これから、それぞれの方法で減らせる理由を解説します。Pythonを効率良く学びたい方は、チェックしておきましょう。
Pythonの資格取得を目指す
Python系の資格勉強を通じて、知識をインプットすると効率的に学べます。
- 学ぶべき内容が最適化されているから
- 段階的に理解度をチェックできるから
- 解説付きの参考書や模擬試験を利用すれば、疑問点をなくせるから
資格勉強でPythonを習得する大きなメリットは、理解した内容が本当に身についているかチェックできることです。
独学の場合には、セルフでチェックすることになるので、初級者レベルの内容が習得できていないにもかかわらず、中級者レベルの内容へ進んでしまうケースがあります。数学や理科と一緒で、初級者レベルの内容が身についていないと、応用することができないため学習効率が下がってしまいます。
一方で資格勉強では、しっかりと基礎を身につけて合格してからでないと、上級レベルの資格は受けられません。そのため、しっかりと基礎が身についているかどうかを「資格の合格・不合格」で知ることができます。
資格勉強でPythonを身につける場合には、基礎が固められていないことによる「戻り学習」を減らせるので、Python習得にかける時間を減らせるのです。
なお、Python習得に向けて資格勉強をしたい方は、下記を参考にしてみてくださいね!
Pythonスクールを利用する
Pythonの勉強時間を減らすうえで、最もおすすめなのは「Pythonスクールを利用する」方法です。
- プロの講師に直接エラーや疑問点を質問できるから
- 無駄のないカリキュラムが組まれるから
- 講師が挫折しないように声をかけてくれるから
Pythonスクールでは、講師の指導のもとでPythonを学ぶので、エラーにつまずくことがなくなります。さらには、講師が「上手に組めるようになってきたね!」など、前向きな声かけをしてくれるので、モチベーションの維持もできます。
プログラミングを未経験から習得するためには、良いメンターが重要です。エラーにつまずいて挫折してしまうリスクをなくすためにも、Pythonスクールを利用しましょう。
なおスクールが気になる方は、下記をチェックしてみてくださいね!
『Tech Teacher』3つの魅力
魅力1. オーダーメイドのカリキュラム
『Tech Teacher』では、決められたカリキュラムがなくオーダーメイドでカリキュラムを組んでいます。「質問だけしたい」「相談相手が欲しい」等のご要望も実現できます。
魅力2. 担当教師によるマンツーマン指導
Tech Teacherでは、完全マンツーマン指導で目標達成までサポートします。
東京大学を始めとする難関大学の理系学生・院生・博士の教師がが1対1で、丁寧に指導しています。
そのため、理解できない箇所は何度も分かるまで説明を受けることができます。
魅力3. 3,960円/30分で必要な分だけ受講
Tech Teacherでは、授業を受けた分だけ後払いの「従量課金制」を採用しているので、必要な分だけ授業を受講することができます。また、初期費用は入会金22,000円のみです。一般的なプログラミングスクールとは異なり、多額な初期費用がかからないため、気軽に学習を始めることができます。
まとめ
・魅力1. 担当教師によるマンツーマン指導
・魅力2. オーダーメイドのカリキュラム
・魅力3. 3,960円/30分で必要な分だけ受講
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まとめ
Python独学にかかる時間は、下記のとおりです。
- 400時間:初級者レベルになるまでの勉強時間
- 3000時間:中級者・大卒レベルになるまでの勉強時間
- 8000時間以上:データサイエンティスト就職・転職レベルになるまでの勉強時間
独学では学ぶことを取捨選択したり、自分1人でエラーを解決したりする必要があるので、時間がかかります。一方で、Pythonスクールではエラーや疑問が出てきてもプロの講師に聞ける環境があるので、Python習得にかかる時間を大幅に減らせます。
Tech Teacherでは、Pythonの使い方やエラーなどを講師にマンツーマンで教えてもらえるPythonスクールです。Pythonスクールを探している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。