データサイエンス概論

初心者のための統計解析! Pythonがおすすめな理由

統計解析と言えば、Rというプログラミング言語が有名です。しかし、エンジニアとしてのキャリアを考えれば、Pythonでの統計解析がおすすめです。これから学習をはじめる人向けに、Pythonでの統計解析について概要やメリット、おすすめの本などを紹介します。ぜひ最後までご覧ください。


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Pythonでおこなう統計解析とは

アプリ開発やブロックチェーン開発、 音声認識と幅広い用途で使えるPython。Pythonは統計解析の分野でも重宝されています。まずは統計解析の基礎からおさえておきましょう。

そもそも統計解析とは

統計解析とは膨大なデータを分析し傾向を見つけることで、多角的な視点から仮説の検討と検証を繰り返すことです。統計学が元になっており、さまざまなビジネスシーンや研究で用いられています。

例えば近年よく耳にするビッグデータ。ビッグデータとは従来のデータベースの管理システムでは、保管や解析が難しい巨大なデータ群のことです。統計解析でビッグデータを分析することで、社会に貢献しています。

統計解析を理解するには、その種類と主要な解析手法を理解しなければいけません。統計解析の種類は大きく2つに分けられます。

1つ目は、記述統計です。具体的には、クロス集計や単純集計などがあります。記述統計とはデータから性質や傾向を読み取り分析することです。通常、グラフや表などを用いて表現します。

例えばあるグループで、学力テストを実施したとしましょう。テストの結果を数値にしただけでは、何も分析できませんよね。平均値を出したり他のグループと比較したりして、結果をグラフや表に示すとデータを分析できます。

記述統計はデータの特徴をわかりやすくするものですので、元となるデータがなければおこなえません。

2つ目は推測統計です。具体例としては、多変量分析や検定などがあります。記述統計ではデータの得られるグループの傾向を分かりやすく表現します。データのないグループを分析することは不可能です。この記述統計の弱点を補うのが推測統計です。

推測統計では解析したい対象の母集団から、ランダムに抽出したグループをサンプルとします。選んだサンプルをもとに、全体の傾向を推測していきます。

また、統計解析の手法についても確認しておきましょう。大きく分けると次の3つの手法があります。

  1. 回帰分析
  2. クラスタリング
  3. 主成分分析

それぞれにどのような特徴があるのか、確認しておきましょう。

①回帰分析

統計解析の手法の中でも、代表的なものに回帰分析があります。回帰分析は結果と原因、それぞれの値の関係性を調べ予想する手法です。 売上高やユーザー数などの数値予測で使われます。

②クラスタリング

クラスタリングでは類似したデータがあれば、クラスタと呼ばれる集団に分類します市場分析で使われることが多く、新しい顧客ニーズの発見に役立ちます。

③主成分分析

データ量が膨大なときには、主成分分析が用いられます。データ量が多いと分類しようにも複雑でわかりづらいですよね。主成分分析ではデータを簡略化することで、データの大まかな特徴を把握していきます。

統計解析にPythonを利用するべき理由

統計解析はPython以外のプログラミング言語でも可能です。しかし、Pythonには様々なメリットが存在します。統計解析にPythonを利用すべき理由は以下の3つです。

  1. コードがシンプルで初心者でも学びやすい
  2. 統計解析に役立つライブラリが豊富
  3. 自作アプリへの組み込みが可能

順番に確認しましょう。

①コードがシンプルで初心者でも学びやすい

Python の文法はシンプルです。初心者が独学で学ぶのに適した言語と言えるでしょう。

②統計解析に役立つライブラリが豊富

ライブラリには、用途ごとの関数やプログラムがまとめられています。データの可視化に強いライブラリや行列演算が得意なライブラリ、グラフ描画用のライブラリなど、統計解析に役立つライブラリが豊富なのもPythonの魅力です。

③ 自作アプリへの組み込みが可能

幅広い分野をカバーするPythonでは、統計解析と他の処理、たとえばAI 処理や画像解析との統合が容易です。そのため、Pythonで開発した統計解析を自作アプリへ組み込むこともできます。

Rでの統計解析との違い

Rというプログラミング言語があります。統計解析専門の言語です。統計解析に特化しているため、データの解析に便利なライブラリが揃っていたり、短時間で分析できたりといった特徴があります。

PythonとRとの違いはなんでしょうか。1番の違いは汎用性にあります。Rでは統計解析が可能でも、アプリの開発はできません。しかし、汎用性の高いPythonは統計解析だけでなく、アプリ開発やブロックチェーン開発、音声認識など幅広い分野で利用することができます。

つまり、統計解析を他の分野と組み合わせが可能なのがPythonです。開発の幅を広げるためにも、さまざまな分野で活用できるPythonでの統計解析をおすすめします。

Pythonでの統計解析に必要な知識とは

初心者が独学で統計解析をしようと思っても、何から始めていいかわかりませんよね。Pythonで統計解析をするにあたり、必要な知識やスキルを確認しておきましょう。

統計解析に必要な知識

統計解析を行うにはPythonの基本文法や環境の構築方法だけでなく、統計学の知識も必要です。何を目的とするかによっても変わりますが、統計の知識としてはオーソドックスな分析手法である回帰分析を最低でも理解しておくと良いでしょう。

回帰分析を学ぶには統計学に関して、以下の3つを学習する必要があります。

  1. 統計学の基本用語
  2. 検定について
  3. 相関について

どれも時間をかければ、理解できる統計の基礎的な内容です。ひとつひとつ確認していきましょう。

①統計学の基本用語

統計学で用いられる基本的な用語には、平均や中央値、標準偏差、分散などがあります。昔学校で学んだけど、忘れてしまったという人も多いのではないでしょうか。

よく耳にする言葉ですが、意外と間違えやすい平均と中央値の違いについて簡単に説明しておきます。平均はすべてのデータを足してでた合計値をデータ数で割って求めます。一方で中央値は、昇順もしくは降順に並べたデータの中で真ん中に位置する値です。

平均は極端な数値によって結果が大きく変わってしまうため、データによっては中央値を用いるのが適していることもあります。

②検定について

統計には検定という考え方があります。検定は有意差のありなしを導きだすことを目的としています。カイ二乗検定やt検定 、F検定と種類もいくつかありますので、勉強しておくと良いでしょう。

③相関について

相関とは、あるデータ同士の関係性を数値化したものです。一方のデータの数値が上がった場合、もう一方は上がるもしくは下がる、どちらかに動きます。正の相関関係があると言ったり、負の相関関係があると言ったりしますね。因果関係とは異なるので注意してください。

以上のことから統計解析には、ある程度の数学的な知識も必要だとわかるでしょう。

統計解析に必要な Python のスキル

統計解析には、以下をはじめとしたPythonの基本的なスキルが必要です。

  • 数値や文字列の演算
  • if文による条件分岐
  • for文やwhile文による繰り返し処理
  • 関数の定義
  • オブジェクト指向
  • 変数のスコープ
  • 主要なライブラリ など

どれも基本的な内容ですので、ひとつひとつ学んでいきましょう。 

Pythonでの統計解析におすすめの本3選

独学でPythonを用いた統計解析を学ぶには下記の3つの本がおすすめです。

  1. 『Pythonで理解する統計解析の基礎』
  2. 『Pythonによる統計分析入門』
  3. 『Python実践データ分析100本ノック』

自分に合ったものを選んでくださいね。

①『Pythonで理解する統計解析の基礎』

Pythonで理解する統計解析の基礎

引用元:『Pythonで理解する統計解析の基礎』

これから統計解析を学ぶ人向けの入門書です。汎用性の高いPythonを評価している本書では、統計解析とPythonによるデータ分析を合わせて学ぶことができます。 

②『Pythonによる統計分析入門』

Pythonによる統計分析入門

引用元:『Pythonによる統計分析入門』

Pythonも統計分析も両方ともが初心者であっても、気軽に読めるのが本書です。Pythonのインストール方法や基本文法に加え、統計解析における推測統計学の基礎や変量解析についてなど、基礎的な内容から学習を始めることができます。

③『Python実践データ分析100本ノック』

Python実践データ分析100本ノック (単行本)

引用元:『Python実践データ分析100本ノック』

現場の視点を持ってスキルを身に付けられるよう設計された1冊。実際のビジネスの現場を想定した100の例題が載せられています。Pythonエンジニアとして即戦力を目指す方は、1度手に取ってみてはいかがでしょうか。 

Pythonで統計解析をする方法

Pythonと統計解析の基礎を学んだら、実践に移りましょう。具体的な流れをお伝えします。

仮想環境の構築とPythonの主要ライブラリ

Pythonでの統計解析にはまず、仮想環境を構築しなければいけません。仮想環境とはひとつのハードウェアの中に、仮想的な環境を構築することを指します。1台のパソコンの中に複数のパソコンが入っているイメージを持つと分かりやすいでしょう。

仮想環境があれば、不具合があった場合でも環境をすぐにリセットできます。仮想環境には「Anaconda」の利用がおすすめです。Anacondaには、Python 本体と統計解析に必要なライブラリがまとめられています。

(Anacondaの公式サイトはこちら:https://www.anaconda.com/products/individual#download-section)

Anacondaを使うにはまず、インストールページにアクセスします。そして、PCのOSに適したインストーラーを選択し、Python 3.X versionをダウンロード。インストーラーを実行すれば完了です。

また、統計解析に用いるPythonの主要なライブラリとしては、以下の4つがあります。名前だけでも覚えておきましょう。

  1. pandas
  2. Matplotlib
  3. NumPy
  4. scikit-learn

Pythonで統計解析をする4ステップ

Pythonで統計解析をおこなうには、以下の4つのステップを順にこなしてください。

  1. データの読み込みと加工
  2. データの可視化
  3. モデルの作製と評価
  4. 分析結果の可視化

あくまでも1例ですが、すべての工程でPythonのライブラリが役に立ちます。豊富なライブラリのおかげで実装の手間が省けるのがPythonのメリットでしたね。 

『Tech Teacher』3つの魅力

魅力1. オーダーメイドのカリキュラ

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    魅力3. 3,960円/30分で必要な分だけ受講

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    まとめ

    ・魅力1. 担当教師によるマンツーマン指導

    ・魅力2. オーダーメイドのカリキュラム

    ・魅力3. 3,960円/30分で必要な分だけ受講

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