Pythonで音声処理を行いたいが音声処理のやり方がよく分からない、という方は多いでしょう。音声処理に関する情報はかなり少ないので、分からなくても無理はありません。
本記事では、Pythonでの音声処理方法について解説します。
音声処理の具体的な活用例や、必要なライブラリ、準備についてまとめました。
本記事を読むことで、音声処理の基礎知識を得ることができます。
音声処理に興味のある方は、ぜひ本記事をお読みください。
Pythonでどんな音声処理ができるか
まず、Pythonでどんな音声処理ができるか解説します。
次の3つの項目に分けて説明しましょう。
- 音声処理とは?
- 音声処理の4つの工程
- Pythonを使ってできる具体的な音声処理の例
音声処理とは?
音声処理とは、音声データの解析や編集をコンピュータを使って行うことです。人間が発した言葉をコンピュータに読み込ませ、特定のアルゴリズムを用いて音声を解析させます。
音声処理は機械学習の一分野です。人間の文字を理解させる自然言語処理の応用編ともいえるでしょう。
音声処理は、まだまだこれからの分野ではあります。しかし、スマホのsiriに代表されるように音声処理を利用した様々なサービスはすでに世の中に溢れています。完璧に音声を処理できるサービスはまだないものの、音声処理がそれだけ注目されていることが分かりますね。
機械学習や自然言語処理についてはこちらの記事で詳しく解説しています!
音声処理の4つの工程
コンピュータに音声処理をやらせる場合、次の4つの工程に分けて行います。
- 音響分析
- 音響モデル
- 発音辞書
- 言語モデル
4つの工程に分けることで、コンピュータが段階を踏んで音声を理解することが可能です。
工程1.音響分析
音響分析では音声データの特徴量を抽出し、音の周波数や間隔といった特徴を抽出します。これを行うことで、コンピュータがデータを扱いやすくなります。
工程2.音響モデル
次の音響モデルでは、音響分析で抽出した特徴量がどの音素や単語にどれだけ近いか、機械に考えさせます。音素とは音声の最小単位のことです。たとえば、「こんにちは」を音素ごとにわけると「K、O、N、N、I、T、I、W、A」になりますね。
コンピュータには多くの音声情報を読み込ませ、音声情報と音声データの特徴量を照らし合わせて「何%程度一致しているか」を確かめていきます。
この工程を踏むことで、コンピュータが音素を正しく認識することができるのです。
工程3.発音辞書
次の発音辞書では、音素同士を正しく組み合わせていきます。音素ごとにモデル化されている膨大な辞書を読み込ませ、どの音素がどれと繋がるかの判定作業を行います。
たとえば「K、O、N、N、I、T、I、W、A」を「KO、N、NI、TI、WA」というように組み合わせ、1つの単語にしていきます。この工程を踏むことで、今度は単語を認識することができました。
工程4.言語モデル
単語を認識させたら、次は文章を認識させる番です。言語モデルでは、単語同士をつなぎ合わせ、正確な文章を認識させていきます。
コンピュータは膨大な文章データから単語の出現率などを分析します。ある単語に続く単語はどれが最も確率が高いか考え、単語をつなぎ合わせていきます。
この工程を踏むことで、コンピュータが文章を理解できます。
これで音声処理の一連の流れが終わりました。
Pythonを使ってできる具体的な音声処理の例
ここで、Pythonを使ってできる具体的な音声処理の例を紹介します。
まず挙げられるのは、日本語AIの自然対話サービスです。AIがお客さんと営業スタッフの代わりに基本的なサポートを行います。これにより、営業スタッフの作業量を減らすことが可能です。
他にも、会議の議事録を作成するサービスもあります。会議の音声をAIが認識し、自動で文字起こしを行ってくれるものです。
また、語学の学習にも音声処理は使われていますね。英語の発音が正しいか、AIが判定してくれるサービスもあります。このように、音声処理は様々な分野で応用されていますね。
Pythonで音声処理をする方法
次にPythonで音声処理を行う方法を紹介します。まず音声処理を行う前段階の準備を説明します。
前段階の準備は次の2つです。
- 機械学習ライブラリをインストールする
- Pydubをインストールする
1つ1つの準備について、詳しく解説しましょう。
準備1.機械学習ライブラリをインストールする
まずは機械学習ライブラリをインストールしましょう。機械学習ライブラリとは、Numpyやpandas、scikit-learnといった機械学習を行ううえで必須のライブラリのことです。
これらのライブラリは音声処理を行う上でも必ず使います。今のうちにインストールしておきましょう。
ライブラリのインストールは、Anacondaを使うと簡単に行えます。Anacondaをインストールすると、Pythonの主要ライブラリが一括でインストールできるのです。
準備2.Pydubをインストールする
続いて、Pydubライブラリをインストールしましょう。Pydubは音声処理を行うためのライブラリです。
音声処理を行う方法は色々あるのですが、Pydubを使うのが分かりやすいでしょう。Pydubのメソッドを使うだけで、音声を読み込んだり出力したりすることが可能です。
Pydubのインストールには、pipコマンドを使います。「pip install pydub」を打つだけでPydubを簡単にインストールできます。
Pydubでは具体的に次のようなことができます。
- 音声ファイルを読み込む
- 音声ファイルを編集する
- 音声ファイルを切り取る
- 音声ファイルを出力する
これら4つのやり方について詳しく解説しましょう。
1.音声ファイルを読み込む
pydubライブラリのAudioSegmentメソッドを使うことで、音声ファイルを読み込めます。たとえば次のような書き方をします。
from pydub import AudioSegment
Audio = AudioSegment.from_mp3(“【mp3ファイルのパス】”)
上記はMP3ファイルを読み込む例です。
また、WAVファイルも同じようなやり方で読み込めます。
from pydub import AudioSegment
Audio = AudioSegment.from_wav(“【wavファイルのパス】”)
音声ファイルを編集する
続いて、読み込んだ音声ファイルを編集する方法を解説します。たとえば音量を上げたい場合、次のように書きます。
from pydub import AudioSegment
Audio = AudioSegment.from_mp3(“【mp3ファイルのパス】”)
newAudio = Audio + 3
上記のように書くと、音量を3段階上げることが可能です。
また、音量を下げるときは次のようにします。
from pydub import AudioSegment
Audio = AudioSegment.from_mp3(“【mp3ファイルのパス】”)
newAudio = Audio – 3
音声ファイルを切り取る
次に音声ファイルを切り取るやり方を解説します。たとえば、音声ファイルの5〜10秒を切り取りたい場合、次のように書きます。
from pydub import AudioSegment
Audio = AudioSegment.from_mp3(“【mp3ファイルのパス】”)
newAudio = Audio[5000:10000]
Pythonでは、秒数ではなくミリ秒で書く必要があります。1秒=1000msなので、1000倍して[5000:10000]と書いてます。
また、最初の5秒間のみを切り取る場合は次のようにします。
from pydub import AudioSegment
Audio = AudioSegment.from_mp3(“【mp3ファイルのパス】”)
newAudio = Audio[:5000]
[:5000]とすることで、最初の5秒間のみ切り取れます。
音声ファイルを出力する
最後に、編集した内容を別の音声ファイルに出力する方法を解説します。音声ファイルを出力する場合は、exportメソッドを使います。
from pydub import AudioSegment
Audio = AudioSegment.from_mp3(“【mp3ファイルのパス】”)
newAudio = Audio + 3
newAudio.export(“【出力用のmp3ファイルのパス】”, format=”mp3″)
上記のように、exportメソッドの第一引数にファイルのパス、第二引数にファイル形式を指定すれば良いだけです。
以上がPythonのPydubライブラリの基礎となります。
Pythonで音声処理をするために何を学ぶべきか
最後にPythonで音声処理をするために学ぶべきことを解説します。
音声処理を学ぶのに最適な本を2つ厳選しました。
- 「音」を理解するための教科書 – 「音」は面白い
- Pythonで学ぶ音声認識 機械学習実践シリーズ
これらの本を読むことで、無理なく音声処理の基礎が学べるでしょう。1つ1つの本について、詳しく解説します。
「音」を理解するための教科書 ー「音」は面白い
引用:「音」を理解するための教科書 ー「音」は面白い:人と音とのインタラクションから見た音響・音声処理工学ー
音声処理の基礎を学べる一冊です。「音」に関する話題が広範に取り上げられています。
簡潔にまとまっており、入門者用といえるでしょう。
前半では、音の面白さや「そもそも音とは」ということについて書かれています。後半では音声処理技術について書かれています。
Pythonで学ぶ音声認識 機械学習実践シリーズ
Pythonでの音声処理を学びたいならこちらがおすすめです。音声処理の手法の種類について詳しく書かれています。また、サンプルコードも多く掲載されていますよ。
「なぜその手法じゃないとだめなの?」というところを詳しく解説されています。
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まとめ
本記事では、Pythonでの音声処理について解説しました。音声処理の基礎がお分かり頂けたかと思います。
音声処理は今後も需要が増すと推測される分野です。
音声処理に興味のある方は、まずはPythonライブラリの習得から行ってみてくださいね。