こんにちは!Tech TeacherのKids Blog編集部です。
小学校でプログラミング教育が始まりました。
プログラミングができると、最先端の技術を使って自分の作りたいものを形にすることができます。今すぐ、待ったなしで始めましょう。
この記事では、全国の学校でもよく使われるScratchプログラミングについて・学ぶメリット・学習方法についてご紹介いたします。
ぜひ最後までご覧ください!
scratchとはどんな言語?
Scratch(スクラッチ)は、アメリカの名門大学であるマサチューセッツ工科大学(MIメディアラボ)が開発したビジュアル・プログラミング言語です。
WEBサイト上で、しかも無料で使えるプログラミング教材なので、気軽に始めることができるのが特徴です。
ビジュアルプログラミング言語
プログラミングというと、黒い画面にアルファベットや記号をタイピングする姿を想像される方も多いでしょう。実際の業務で行うプログラミングはそのイメージ通りです。
一方、Scratchは目で見てわかりやすい「ビジュアル・プログラミング」という形式が採用されています。
Scratchでは、プログラミングの命令を命令ブロックとよばれるイラストに置き換え、まるで積み木を組むかのように楽しく簡単にプログラミングをすることができます。
ビジュアルプログラミング言語については、こちらの記事で詳しく解説しています。
小学生にもわかりやすく、楽しめる
Scratchは子ども向けに作られていて、命令ブロックも「10歩動かす」「1秒待つ」のように、わかりやすく表現されています。画面横にある命令ブロックの中から好きなブロックをドラッグして、組み合わせることでプログラムを作っていくことができます。
また、多数のキャラクターや背景が用意されているので、子どもの興味を引きやすく飽きさせません。
多くの小中学校で使われている
現在文部科学省はScratchを推奨しており、実際に小学校や中学校の授業で使われています。
また、学校のパソコンクラブなどでは、以前からScratchを利用した活動がさかんに行われています。
Scratchを使った小学校の授業について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
無料で使える
Scratchはすべて無料で使うことができます。
さらに、作ったプログラムをオンラインコミュニティで公開する・他の人が作ったコードを参照する・リミックスするといったことも自由に行うことができます。
日本でも世界でも注目されている
Scratchというと、子ども向け・小学生・わかりやすい…という言葉がよく並びますが、子ども専用というわけではありません。むしろ初心者の大人の方にもおすすめの言語です。
東京大学では1年生全員が受ける情報系の講義で、プログラミング初心者の学生におすすめの言語として、Scratchが紹介されています。
また、プログラミング言語人気ランキングTIOBE INDEXでは、プロが使う世界中のプログラミング言語の中で、ここ数年常にトップ20位前後をキープしている“実力者”です。
Scratchプログラミングは簡単?難しい?
Scratchを使うと、初めての人でもパソコン立ち上げ10分後には、キャラクターが左右に動くプログラムを完成できるほど簡単にプログラミングをすることができます。
なぜそんなに簡単にできるのか、3つの面から説明します。
パソコンと通信環境さえあれば始められる
Scratchを使うために、何かをダウンロードしたりパソコンにソフトをインストールしたりする必要はありません。
それは、パソコンに必ずインストールされているWEBブラウザ上で簡単に始められるからです。
WEBブラウザで使えるということは、どのパソコンOSからもScratchを使えるということを意味します。WindowsやMacはもちろん、Linuxでも使うことができます。
命令ブロックを組み合わせてすぐに実行できる
一般的なプログラミングでは、まず「アルゴリズム」という効率の良い手順や計算方法を決めてから、プログラミング言語に書き換えます。
書き換えは、言語のルールに合わせて複雑なコードをキーボードより直接入力しなければならず、一文字でも間違えると、正常な動作をしてくれません。
それに対してScratchでは、論理的におかしいブロックどうしは組めないようにできているので、初めてでも間違えにくい工夫が凝らされています。
さらに、作ったプログラムを同じ画面上ですぐに実行できるので、キャラクターの動きを見ながらプログラムの修正を手軽に行うことができます。
日本語に対応している
多くのプログラミング言語のコードは英語ベースで、日本語に対応しているものはほとんどありません。
Scratchは、世界の40以上の言語に対応しており、もちろん日本語版もあります。日本語版では、漢字の「日本語」とひらがなの「にほんご」表示を選ぶことができます。
scratchでどんなことができるの?
学校の教科書をヒントにプログラミング
2020年より、学校では教科の学習にプログラミングが取り入れられています。
たとえば、算数で図形やグラフを描く、国語で百人一首のかるたとりゲームを作るといった形です。
ゲーム作り・作曲・楽器作りも
オリジナルのゲームを作ることができますし、テトリスやマインスイーパなどの有名なゲームを再現することも可能です。
たくさんの音源が準備されていて、曲の演奏・オリジナルの作曲もできます。
ペットが鳴く声を音源として入力し、新しい“楽器”を作ることもできます。
LEGOやArduinoと連携できる
LEGOのロボティクスシリーズ、WeDo、 Mindstorms NXT , EV3 とScratchを連携させることでロボットを動かす学習をすることができます。
簡単な電子基板であるArduino(アルドゥイーノ)とScratchと連携すると、電子工作をプログラムで制御することもできます。
これを組み合わせてドローンを飛ばすことも可能です。
こちらの記事でScratchの操作方法について画像付きで解説しているので、ぜひご覧ください。
小学生がScratchを学ぶメリットは?
10年前、子どもがプログラミングを簡単に学べる環境はありませんでした。
これからは年齢に関係なく、自由自在にプログラミングをして新しいものを作っていく人がリードしていきます。
小学生も初心者の大人も、今は同じスタートラインに立っています。
小学生のScratchプログラミング学習には、具体的に次のようなメリットがあります。
パソコンの扱いも同時に学べる
お子さんにとって「パソコンは、YouTube見るための箱」になってしまっていませんか?
家族共有のパソコンを、決まった使い方だけしているご家庭も多いです。
Scratchはパソコン全般の扱いに慣れていないお子さんでも簡単に扱えるよう、ほとんどの操作をマウスでできるようになっていますので、プログラミングをしながらパソコンの基本操作やファイル管理にも自然に慣れていくことができます。
論理的思考力が培われる
論理的思考力とは、正しい順序でものごとを考え、重複や繰り返しがなく、わかりやすく説明できる能力です。
プログラミングでは、手順が間違っていると別の結果になったり、全く動作しなくなったりします。
また、同じ命令を二回してしまっている、指示がわかりにくいなどは、処理時間が長くなる原因になります。
正しい順序で最も効率よく動作する手順(アルゴリズム)を考えることが、論理的思考力のアップにつながります。
プログラミングの基礎が身につく
Scratchはコーディングが不要で、命令ブロックの組み合わせだけでできるので、アルゴリズムだけを考えればよい言語です。
これにより、プログラミングの基礎をしっかり学ぶことができます。
身近なものの仕組みがわかる
「ゲームで遊んでばかりではなく作る側になりなさいといわれるけれど、何をやればよいかわからない」「非接触で体温が測れるのは不思議だ」
などの身近な疑問を、自分でプログラミングして作ってみることで、ひとつひとつ解決していくことができます。
この経験が、お子さんの身近なものに対する見方を変え、新しい創造力を育みます。
scratchの学習方法
Scratchは、こちらから始めることができます。
最初はアカウントを作らなくても体験できますが、慣れてきたら自分のアカウントを作りましょう。
学ぶためには、家庭で本やWEBサイトを参考にしながら独学する方法やプログラミングスクールへ通って学ぶ方法があります。
それぞれの学習方法のメリットとデメリットについて説明します。
本や動画で学ぶメリット
費用が安い
費用は本代のみ。現在は多くのScratchのWEBサイトがあるので、無料で学習をすることも可能です。
家庭でできる
Scratchを始めるのに必要なのはパソコンと通信環境だけ。思い立ったらすぐ始められる手軽さが魅力です。家庭なら時間も自由で、一人で集中して取り組んだり、スキマ時間に学習したりすることも可能です。
親子で一緒に学べる
Scratchには初心者向けのやさしい解説本やWEBサイトが数多くあります。
ぜひ保護者の方もお子さんと一緒に学んでください。
慣れてきたら共同でアプリを作ったり、LEGOやArduinoと連携させてオリジナルの新しいツールを生活に取り入れたりしてみましょう。親子で楽しめます。
本や動画で学ぶデメリット
困ったときの解決に時間がかかる
プログラムが動かない・思ったものと結果が違うことが、プログラミング中に起こることがあります。
エラーは見つかりにくいものもあり、家庭だけでは解決に時間がかかることがあります。
自分の書いたプログラムの評価ができない
良いプログラムには、良いアルゴリズムが使われています。
たとえ同じ結果が出ても、アルゴリズムの違いで処理効率が何万倍も変わってくることもあるため、自分の作ったプログラムを評価してもらう必要があります。家庭だけではこの部分がどうしても曖昧になってしまいます。
小学生向けプログラミングスクールのメリット
プロのアドバイスがもらえる
スクールに通って学ぶ一番のメリットは、わからないことがあればすぐ講師に質問できる点です。
プログラミングが思った通りに動かないときやアルゴリズムの評価で、プロのアドバイスをもらうことで、効率よく学ぶことができます。
一緒に学ぶ友達ができる
アクティブラーニングで先生や友だちと意見を出し合ったり改良をしたりすることで、劇的にプログラミングスキルを上げることができます。
規模の大きいプログラムを複数の仲間と作り上げていくことも可能になります。
小学生向けプログラミングスクールのデメリット
費用が高い
一番のデメリットは費用が高いことです。入会金の他に月4回で1万円以上の月謝、テキスト代や教材費は別料金になっていることがほとんどです。
欠席時の振替が可能かどうかも調べましょう。振替手数料の有無などで負担が変わってくるので注意が必要です。
スクールのエリアが限定される
教室によって授業のクオリティはまちまちである上、エリアも限られているので、地域差が大きくなってしまいます。
スクールが遠い場合、保護者の方の送迎が必要になることもあります。
やりたいこととカリキュラムとが合わなくなることがある
プログラミングスキルの上達の速さは、お子さんによって大きく違います。
そのため、進んでくるとお子さんのやりたいことがカリキュラムと合わなくなることがあります。
保護者の方は、スクールに預けっぱなしにするのではなく、お子さんがやりたいことができているかどうかを定期的にチェックしてあげてください。
まとめ
ここまで、Scratchを学ぶメリットや学習方法について説明してきました。
プログラミングの最も素晴らしいところは、テクノロジーの力で自分の力で作りたいものを作れるようになれる点です。
継続してプログラミングをすることで、今までになかった製品を生みだすことも可能です。
Scratchを学ぶことで、お子さんの可能性を大きく伸ばしてあげてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。