こんにちは。Tech TeacherのKids Blog編集部です!
マイクラやプログラミングに興味があるお子さん、保護者の方で、こんなお悩みはありませんか?
「マイクラでプログラミングが学べると聞くけど、家にあるスイッチでできるか分からない」
「子どもが『プログラミングのためにパソコンが欲しい』というけど、高価でためらってる」
そんなお悩みを持つ方に向けて、マイクラでできるプログラミングの紹介と、スイッチ版で可能なプログラミング学習について説明します。
実際のプログラミング学習に繋がるミニゲームの作り方についても解説しているので、この記事を読めば、スイッチでのプログラミング学習が進められますよ。
マイクラをやるなら、プログラミングも学びたい!
世界中で人気のゲーム「Minecraft」は、プログラミング教育など学習にも活用されています。
楽しくゲームすることを通して、プログラミング的思考やスキルを身に着けることができるため、マイクラ好きのお子さんにおすすめの学習法です。
スイッチでのマイクラでは、JAVA版のような「プログラミングしたファイルを使う」ことはできませんが、「プログラミングのように、手順を考えてモノづくりをする」ことはできます。
パソコンがなくても、プログラミング学習はできる
実際にプログラミング言語でコードを書いたり、プログラムを作るためにはパソコンが必要ですが、「プログラミングに必要な力」は、パソコンが無くても身につけられます。
- プログラミング言語の知識や経験
- パソコンなど、プログラミングで動かす機械の知識
- 効率的なしくみや、手順の作り方
上記3つの力のうち、「手順を考える力」に、パソコンは必要ありません。この力は実際に自分で試行錯誤することで身についていきます。
特に、マイクラにある疑似的な電気回路・レッドストーン回路はプログラミングにおける「手順を考える力」を身につけるのに適しています。
マイクラ内にある鉱石からとれるアイテム「レッドストーンパウダー」を使った回路です。
レッドストーンパウダーで導線を引き、動力となる「スイッチ」ブロックや、ブロックを押し引きする「ピストン」ブロックなどをつなぐことで、機械のように自動で動く装置が作れます。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
- ON/OFFで考えるので、0/1が重要になる機械やプログラミングとの共通点がある
- 実際の機械で使われているものと同じ効果を持つブロックが使える
- マイクラのクリエイティブモードであれば、作る/こわすが気軽に繰り返せる
レッドストーン回路は、マイクラをゲームとして楽しむ人々にも、アイテムを大量生産する装置づくりやトラップづくりで親しまれています。
レッドストーン回路はJAVA版でも統合版でも、もちろんスイッチでも作れます。
この記事でもミニゲーム作りを紹介しているので、ぜひ挑戦してみてください。
プログラミングスキルを身につけるなら、ぜひパソコン環境で
2023年10月現在、マインクラフト内でプログラミングを学習するには、教育版でMakeCodeを利用する方法と、Java版にMODを導入する方法の2つがあります。
Java版はPCのみで扱えますが、教育版はPCに加えてスマホ・タブレットにも対応しているので、タブレットにキーボードやマウスを接続する方法もあります。
教育版・Java版共に、ビジュアルプログラミング、テキストプログラミングどちらも学習できます。
プログラミングには、ビジュアルプログラミングとテキストプログラミングの2種類があります。
「ビジュアルプログラミング」⇒命令が書かれたカラフルなブロックを組み合わせるだけで簡単にプログラミングができる
「テキストプログラミング」⇒コーディングが必要となる
小学生のお子さんであれば、ビジュアルプログラミングでプログラミング的思考を身につけてから、テキストプログラミングに挑戦するのがおすすめです。
テキストプログラミングは小学校高学年くらいからできるようになるイメージです。
(参考)マイクラでのプログラミング学習に関する記事3選
本ブログでは、マイクラでのプログラミング学習について、初心者向けの解説から応用的な活用法まで様々な記事を掲載しています。
気になるものがありましたら、ぜひ合わせて読んでみてください。
マイクラでのプログラミングについて、学習ステップの進め方などをまとめた記事です。マイクラに慣れない人も、プログラミングに慣れない人も、まずはこちらからどうぞ。
教育現場向けに特化した教育版マインクラフトのご紹介。もちろんプログラミングにも対応しています。
マインクラフトの公式が提供するプログラミング学習ツール。教育版マインクラフト限定ではありますが、安定性やマイクラとの親和性はバツグンです。
動画で解説!スイッチ版マイクラでミニゲームを作ろう
こちらの動画では、Switch版マイクラでミニゲームを作る過程を紹介しています。
プログラミング的思考はもちろん、レッドストーン回路や音ブロックの使い方が学べるので、ぜひご覧ください!
スイッチでプログラミング学習:どっち?クイズの建物を作ってみよう
今回は、「2つの答えから一つを選んでもらう」クイズの部屋を作ってみましょう。最初に、大体でいいのでどんな配置にするか決めておきます。
ただ部屋を通るだけでは、間違えたとしても、確認してから戻れてしまいますよね。そこで、4つのギミック(しくみ)を作ってみます。
- 離れたレバーで、鉄のドアを開けるしくみ
- 開いていたドアが、勝手に閉まるしくみ
- 正解の部屋と間違いの部屋で、それぞれ音が鳴るしくみ
- 砂利が落ちることで、壁の絵が見えるしくみ
今回は、Switch(統合版)で作ることを前提に、ミニゲームの作り方を紹介しています。Java版では回路づくりのルールが一部違うため、注意してください。
1.学べる内容
今回のミニゲーム「どっち?クイズ」作りで学べるのは、以下の内容です。
プログラミング学習として
- 離れたところで、モノを動かすという考え方
- 効率の良い作業手順
- 「NOT回路」の考え方
マイクラ知識として
- レッドストーン回路の引き方
- ピストンの使いどころ
- 音ブロックの使い方
ここには作り方がすべて書いてありますが、プログラミング学習を意識して取り組むときには「なぜ、このブロックをここに置いたのか」、「こういう風にしくみづくりをするのか」も考えてみてくださいね。
2.クリエイティブモードのワールドを準備する
ミニゲームを作る場所として、新規のワールドをつくっておきましょう。
モードは「クリエイティブ」、難易度は「ノーマル」にしておきます。今回は敵対Mobのトラップは作らないので、「ピースフル」でも大丈夫です。
左側のメニューから「詳細」を選んで、ミニゲーム作りに向いた設定にしていきます。
- 平坦な世界 → ON(緑)
- 座標を表示 → ON(緑)
- 常に昼間 → ON(緑)
- 天候サイクル → OFF(灰)
※「常に昼間」「天候サイクル」はメニューの「チート」から「チート」をON(緑)にしてから設定
座標はコマンドを作ったり距離を測ったりする時に便利です。今回は屋内で作っていきますし、ギミックは建物の外側もたくさん使うので、よく見えるように昼間の晴れにしておきましょう。
3.問題と解答用の部屋を用意する
まずは大きなものから取り掛かるために、スタートする部屋を用意しましょう。壁や床などの外側部分を、コマンドで用意します。
コマンドを書く画面は、左コントローラーの「→」ボタンで呼び出します。
では、入り口を開けて、必要なブロックを置いていきましょう。開け閉めが簡単にできないように、鉄のドアを使うのがポイントです。
- 部屋の隅にたいまつ:4つ
- 出口のドア:2つ
- 問題を書く看板と、看板を貼る台
- 答えを貼る台と、レバー:2セット
額縁(がくぶち)を使うとアイテムの絵が使えます。看板に文字で書いても大丈夫ですよ。
ここまで、設備は石ブロックを使っていますが、透けて見えないブロックであれば他のものでも大丈夫です。
レバーでドアを開けるレッドストーン回路をつくる
レバーとドアをレッドストーン回路で繋ぐので、回路を隠せるように、レバーは壁際に置いてあります。
壁に穴を開けてレバーを外から見えるようにしたら、建物の外側にガラスブロックとレッドストーンパウダー並べて回路を作っていきます。ドアの上が1ブロックだけになるよう、少し削っていきましょう。
今回の回路を置くブロックは、重なることがないので、ガラス以外でも大丈夫です。
レッドストーン回路では、信号を遮断しにくく色んな角度からでも回路が見えやすいので、よくガラスが使われています。
レバーを押すと、繋いだ回路が光ります。ドアが開いたら成功です。ドアを確認したら、レバーのそばのすき間をふさいでおきましょう。
ドアを開けるだけなら、ドアの隣にレバーを置くだけで十分です。
今回、少し離れたところから回路で繋いでいるのは、後で「勝手に閉まるドア」にするための準備でもあります。
4.正解ルートと間違いルートを用意する
正解の部屋・間違いの部屋を、鉄のドアから少し離れたところにコマンドで作ります。方向の確認をしてから、コマンドを打ちましょう。
鉄のドアから新しくできた部屋へ、廊下を作っていきます。閉じると暗くなるので、明かりも忘れずに設置しましょう。
正解の部屋・間違いの部屋は、コマンドで1部屋作っただけなので、壁で区切っておきます。こちらも明かりが必要です。
奥の壁にはブロックを置くので、2マス分空けておいてください。
正解の部屋には「〇」、不正解の部屋には「×」を、突き当りの壁に作っておきます。使うブロックは自由ですが、今回は羊毛を使っています。
これで、部屋の準備が整いました。部屋に入ったら動作するギミックを、これから作っていきましょう。
ドアを閉めるしくみを作ろう
入口である鉄のドアを閉めて、出られないようにします。他の部屋に行くことも、この方法で防げます。
建物の外に出て、鉄のドアの回路の一番上と同じ列にピストンを準備します。
ピストンの押し出しは回路の方向に、ピストンの正面には砂利ブロックを置いておきます。
レッドストーンブロックなどでピストンを動かすと、砂利が回路をさえぎります。回路がOFFになってドアが閉まれば完成です。
鉄のドアは2つあるので、もう一つのドアにも同じギミックを作っておきます。
目隠しになる砂利のカーテンを作ろう
ドアを開けてすぐ「〇」や「×」が見えると、部屋に入ってもらえないかもしれません。
目隠しになるカーテンを作って、部屋に入ると砂利が落ち、「〇」や「×」が見えるしくみをつくります。
「〇」や「×」を作った壁の、手前の床に穴を開けます。
穴の真下に、伸びたピストンが来るように、向きに気を付けながらピストンを設置して、上にレッドストーンを引いていきます。
ピストンの二つ下に床が来るようブロックを並べ、ここには松明(たいまつ)を並べます。
松明があると、落ちてきた砂利がアイテム化するしくみです。こぼれないように、石ブロックで囲っておきます。
部屋の中に戻って、伸びたピストンの上に砂利をおきます。試すときは、2~3個で十分です。
部屋の下まで戻って、レッドストーンの松明を外してみます。砂利が落ちてきたら成功です。間違いの部屋でも、同じ仕組みを作っておきます。
音ブロックを調整して、正解/間違いの音を鳴らそう
部屋の外側に、音ブロックの回路を作ります。
音ブロックは、下に置くブロックの種類で音色が、ブロックに使う動作をすることで音程が変わります。
音程は使うたびにファ#から2オクターブ上のファ#まで上がっていき、一周すると一番低いファ#に戻ります。
今回は以下のような音に設定してみました。
正解の音 (ピンポン) | 下に鉄ブロック (鉄筋) | 17(シ) → 14(ソ)の順で鳴る |
---|---|---|
間違いの音 (ブブッ) | 下に木材 (コントラバス) | 0(ファ#) → 0(ファ#)の順で鳴る |
設置するときは、下に置くブロックを並べてから、以下の順で並べます。
- ボタン
- レッドストーンリピーター
- 音ブロック
- レッドストーンリピーター
- 音ブロック
音ブロックを鳴らすには回路の力が大きい方がよいため、回路の力を増幅できるレッドストーンリピーターを使っています。レッドストーンリピーターには方向(►)があるので、体の向きに注意して設置しましょう。
レッドストーン回路で、しくみを同時に動かそう
部屋の入口に穴を開けて、レッドストーンブロックを置きます。回路が光っている(ON状態)の方が分かりやすいためです。
床下にガラスブロックを置いて、部屋の外側へ回路を引いていきます。同じ高さでない時は、ガラスブロックを斜めに置いていくと良いでしょう。今まで作った「ドアを閉める仕組み」、「砂利のカーテン」、「音ブロック」にそれぞれ繋げていきます。
「砂利のカーテン」だけは、普通に繋ぐとON状態となって、ピストンが伸びた状態になってしまいます。入口を踏むとOFF、踏まない間はONにしておきたいので、NOT回路を置きます。
回路の途中に羊毛とレッドストーントーチを置くことで、「ONの時はOFF、OFFの時はON」となる回路が作れる。
レッドストーントーチの特性として、「設置されているブロックがONの時にOFF、OFFの時にONになる」ことを利用している
回路が長くなって足りない場合は、音ブロックの時に使ったレッドストーンリピーターを間に挟みます。
回路の確認が出来たら、部屋の入り口に置いたレッドストーンブロックを壊して、石の床に戻しておきます。上に石の感圧版を置いたら、ギミックは完成です。
回路は、正解の部屋、間違いの部屋それぞれで必要です。もうひとつの部屋も同様に、レッドストーン回路を引きましょう。
仕上げをしよう
プログラミングもそうですが、「作ったら終わり」ではありません。むしろ、作った後の作業が重要です。
- きちんと動くか、テスト(動作確認)をする
- テストで使ったもの、動かしたものを元に戻す
- 他の人が使えるように整える
具体的にみていきましょう。
テスト(動作確認)をする
作った後は、まず確認作業です。プログラムや機械製品は、必ずチェックリストを作り、きちんと動作をするか確認します。
問題の部屋 | 正解のレバーを使うと、ドアが開くか/閉まるか |
問題の部屋 | 間違いのレバーを使うと、ドアが開くか/閉まるか |
正解の部屋 | 部屋に入ると、砂利のカーテンが落ちるか |
正解の部屋 | 砂利のカーテンの向こうは「〇」になっているか |
正解の部屋 | 部屋に入ると、「ピンポン」と音が鳴るか |
正解の部屋 | 部屋に入ったあと、鉄のドアが閉まるか/開かない状態になっているか |
間違いの部屋 | 部屋に入ると、砂利のカーテンが落ちるか |
間違いの部屋 | 砂利のカーテンの向こうは「×」になっているか |
間違いの部屋 | 部屋に入ると、「ブブッ」と音が鳴るか |
間違いの部屋 | 部屋に入ったあと、鉄のドアが閉まるか/開かない状態になっているか |
問題の部屋、正解の部屋、間違いの部屋、廊下すべて | 出られないように壁になっているか |
うまく動作しない場合は、回路がちゃんと繋がっているか、ブロックの向きや位置があっているか確認しましょう。
動かしたものを元に戻す
テストが終わったら、ちゃんと元の状態に戻しておきましょう。
- 正解の部屋、間違いの部屋にある、砂利をもう一度設置する
- 部屋の外にある、鉄のドアを閉めるギミックを元に戻す
- 問題の部屋の鉄のドアが開いていれば、閉めておく
鉄のドアを閉めるギミックは、回路が動いたことで移動した石ブロックが回路を止めています。簡単に回路を直せるように、反対側にもピストンとボタンを設置しておくと良いでしょう。
他の人に遊んでもらう準備をする
ここまでで、部屋とギミックが整いました。しかし、他の人に遊んでもらう時にわざわざ部屋まで案内するのは、少し面倒です。問題の部屋に、コマンドでリスポーン地点を設定します。
これで、最初のスポーン地点、死んだときのリスポーン地点が部屋の中になります。
そしてもう一つ、設備を壊されないために、コマンドで「アドベンチャーモード」に設定します。
アドベンチャーモードでは、レバーなどの操作はできますが、ブロックを壊したり置いたりすることができません。これで安心ですね。
これでいよいよ、マルチプレイ/クロスプレイで遊んでもらう準備が整いました。作るのに慣れたら、選べる部屋の数を増やしてみたり、問題の数を増やしたりしてみて楽しんでください。
実際の完成品を見てみよう
Switchの画面を動画でキャプチャしたものがこちらです。
動画内では以下の順でご紹介しています。
- 問題の部屋
- 正解の部屋
- 間違いの部屋
- 建物の外側(間違いの部屋サイド)
- 建物の外側(正解の部屋サイド)
スイッチ版マイクラでプログラミング学習をしてみよう!
今回は、スイッチ版マイクラでできるプログラミング学習について解説しました。
まとめると、以下のようになります。
- パソコンがなくても、プログラミング学習はできる
- スイッチ版マイクラでミニゲームができる
スイッチ版マイクラでプログラミング学習をしてみましょう!